著者のコラム一覧
神田松鯉講談師

昭和17年生まれ。群馬県出身。新劇・松竹歌舞伎などの俳優を経て、昭和45年2代目神田山陽に入門。昭和52年真打ち昇進。平成4年3代目神田松鯉を襲名。令和元年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。

講談界の第一人者・一龍斎貞水師匠が言ってくださった言葉

公開日: 更新日:

 人気者の伯山は「うちの師匠は優しい」とよく口にする。

「『男は優しくなれなければ生きている資格がない』というのがレイモンド・チャンドラーの名言です(笑い)。伯山は何かというと私に相談してきます。頼られているうちが花ですね」

 先日、同じく人間国宝の一龍斎貞水師匠が死去した。81歳だった。

「一緒に講談をもり立ててきた先輩が亡くなったのは非常に寂しいし、残念です。貞水先生は講談界の正真正銘の第一人者でした。迫力があって流れるような名調子は忘れられませんね。人間的にも裏表のない信頼できる魅力的な先生でした。昨年、私が人間国宝に認定いただいた時、最初に電話をくださって『今まで独りだったから相談する人ができてほっとしているよ、おめでとう』と言ってくださった。その先生が逝ってしまった。講談界を担う上での責任感を重く感じています。ご冥福をお祈りします」

 最後に、来年に向けての意気込みを。

「コロナには細心の注意を払わなければいけませんが、振り回されて生きるのはダメです。芸人らしく前向きに、これからも頑張ってまいります。皆さんもよいお年を!」

(構成=浦上優)

【連載】「講談」ブーム再来の舞台裏

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景