プロデュースに差…客の気持ちで選べぬ松竹vs選べる海老蔵

公開日: 更新日:

 歌舞伎座は演目を選ぶにあたり、客の気分を考えていない。

 新橋演舞場は市川海老蔵一家の公演。本来なら、昨年13代目市川團十郎白猿となっていたはずが、コロナ禍で無期延期。半ば開き直っての初めて「海老蔵歌舞伎」と銘打っての公演だ。最初は市川右團次、中村児太郎、中村壱太郎の曽我兄弟ものの舞踊劇「春調娘七種(はるのしらべむすめななくさ)」、次が歌舞伎十八番のひとつ「毛抜」で海老蔵主演。歌舞伎には珍しい推理劇である。海老蔵が老獪さを出せるようになってきた。最後は娘の市川ぼたんが「藤娘」に挑み、堀越勸玄と海老蔵が牛若丸と弁慶を演じる「橋弁慶」。将来、「勧進帳」で同じ役を演じる布石のひとつとして、選ばれた。

 海老蔵は、プロデューサーとして、客が何を望んでいるか、どんな気分で劇場に来るのか、意識して演目を決めている。17日までと短いせいもあるが、初日を前に完売した。コロナ禍にあっても、役者と客との幸福な関係が維持されている。

(作家・中川右介)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    りくりゅう電撃引退も三浦璃来だけ競技継続の「ウルトラC」…ごく身近にも“前例”あり

  2. 2

    りくりゅうペア大逆転金メダルを呼んだ“かかあ天下” 木原龍一はリンク内外で三浦璃来を持ち上げていた

  3. 3

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

  4. 4

    松重豊がついに引退を示唆し2代目探しに言及…「孤独のグルメ」井之頭五郎を継ぐ有力候補者の実名続々!

  5. 5

    長女Cocomi"突然の結婚宣言"で…木村拓哉と工藤静香の夫婦関係がギクシャクし始めた

  1. 6

    木下グループにアスリート殺到 「社長自腹4000万円」だけじゃない驚きのサポート体制

  2. 7

    1ドル=160円にらむ円安進行に後手後手…日銀「4月利上げ後退」で庶民生活はジリ貧の一途

  3. 8

    桑田真澄氏が《ポスト阿部に浮上》の悪い冗談…ファンの期待と球団の評価には大きな乖離

  4. 9

    足元ではコメ値下がりも新たな問題が…加工米が4万トン不足で日本酒業界もピンチ

  5. 10

    玉川徹、橋下徹、杉村太蔵、カズレーザー…いま一番視聴率が取れるコメンテーターは誰?