「生ライブ」はもう限界…公演するも休演するも地獄

公開日: 更新日:

■終演後2週間はヒヤヒヤ

 驚いたのは会場の“寒さ”。開演前からドアを全開、公演中もMCをこまめに挟み、そのたびに換気を行うため、スポーツの屋外観戦と変わらない。見る側もだが、演者にも負担を強いることになる。さらに、演者は観客を入れてライブを決行するだけでも眉をひそめられ、観客から感染者が出た日には猛バッシングにさらされるリスクをも負い、「ライブ後2週間は感染者が出ないよう祈るばかり」(関係者)だという。同公演は無事終えたわけだが、まさに生ライブは命がけだ。同志社女子大学教授(メディア論)の影山貴彦氏がこう言う。

「エンタメ業界は頂点の一部だけに富が集まり、現場はやりがい搾取が常態化していたが、今ついに限界にきたといえる。このまま人材が流出したら再スタートは厳しい。ライブエンタメの必要性と共に、現場の人材の大切さを再認識し、ほそぼそとでもエンタメのともしびを絶やさないことが大事。ファンドなどで見る側が支える制度を整え、既得権者は富の配分をすべきでしょう」

 アーティストの熱い気持ちと、観客の拍手、生ならではの感動はひとしお。環境を整えたうえで、生のライブを絶やさないことがエンタメ界に急務なのかもしれない。

(取材・文=岩渕景子/日刊ゲンダイ

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  3. 3

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  4. 4

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

  5. 5

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  1. 6

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  2. 7

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  3. 8

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  4. 9

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  5. 10

    長嶋一茂が父・茂雄さんの訃報を真っ先に伝えた“芸能界の恩人”…ブレークを見抜いた明石家さんまの慧眼

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも