著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

末成映薫さんは100歳まで現役のために改名したザ・大阪のおばちゃん

公開日: 更新日:

末成映薫(由美)の巻

「ごめんやしておくれやしてごめんやっしゃー」のギャグなどで関西では知らない人はいないだろうと思われるぐらい親しまれている末成さん。

 2020年1月1日から芸名を「末成由美」から「末成映薫」に変えられました。その理由が素晴らしい!

「由美の文字を『映薫』にすることでもっともっと運勢がよくなると聞き、それならば……! と改名してみることにしました。まだまだ売れて、大河ドラマに出る夢もかなえ、100歳まで現役で新喜劇の舞台に立てるように精進致します」というのです。吉本新喜劇、48年目の大ベテラン、長いキャリアを積み上げてこられてなおこの向上心。本当に頭が下がります。

 初めて新喜劇の台本を書かせていただいたのが1990年の2月「吉本新喜劇やめよッカナ? キャンペーン」の一環で、これまで新喜劇を書いたことのない作家にも書かせようということで漫才作家の私に新喜劇を書く機会を与えていただきました。末成さんとはその時以降のお付き合い。新喜劇だけではなく、バラエティーやトーク番組でも何度となくお世話になっています。

 大先輩ですが偉ぶるところなどみじんもなく、壁をつくられないのでこちらもついつい甘えて「末成さんならやってくださるだろう」と、生放送のテレビのコントで早着替えで何役もやっていただいたことがありましたが、リハーサルで「むちゃなお願いをしてすいません」と頭を下げると「大丈夫、大丈夫なんでもやるよ!」と胸をたたいた後で、「これはギャラ割り増しやな?」とニヤリとしながらささやかれたり、おちゃめな“大阪のおばちゃん感”満載の末成さん。

 私の未熟な新喜劇の台本にも「本多君、ここはこうした方がええんちゃうかな?」「これはおもしろいわ! やるやんかいさ!」と稽古の時から何度も“直球”のアドバイスをいただきました。

衣装より派手な私服

 料理もお上手で、30年近く前ですが、長時間に及ぶテレビの年始特番の収録で、22時すぎ(?)ぐらいにスタジオに来られた末成さんが大きなカバンから保存容器をいくつも出されて「よかったらみんなで食べてちょうだい!」とお手製の差し入れをしてくださいました。何を作ってくださったのか記憶はありませんが「おいしかった!」ことだけは今でも覚えています。今も若手の座員を自宅に招きごちそうされているそう。おそらくその場ではいろんな相談にものっておられるんでしょう。

 インスタも頻繁に更新され、バーベルを担いでスクワットしている写真を投稿。とにかくお元気! 肌もスベスベでとても実年齢とは思えません。私服が舞台衣装より派手で、楽屋から帰って行かれる時に思わず「衣装のままですよ!」とほんとに声をかけそうになったことが何度もありました。

 仕事終わりで地下鉄に乗り合わせた際に、乗客から「新喜劇の方ですよね?」と声をかけられても「ありがとうございます」と気さくに話をされるし、大阪の街に溶け込んでらっしゃいます。

 座員からもスタッフからも「ゆみ姉さん」と慕われている末成さん。ホントに100歳まで現役で舞台に立ち続けてください! 

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  2. 2

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  3. 3

    萩原健一(6)美人で細身、しかもボイン…いしだあゆみにはショーケンが好む必須条件が揃っていた

  4. 4

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  5. 5

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  1. 6

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘

  2. 7

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  3. 8

    元フジテレビ長谷川豊アナが“おすぎ上納”告白で実名…佐々木恭子アナは災難か自業自得か

  4. 9

    「まつもtoなかい」長渕剛"神回"が話題に…「仕事と愛どっち取る?」の恋愛トーク!

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  2. 2

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 5

    菊乃井・村田吉弘さんが日本食の高級化に苦言…「予約が取れない店がもてはやされるのはおかしい」

  1. 6

    フジテレビを襲う「女子アナ大流出」の危機…年収減やイメージ悪化でせっせとフリー転身画策

  2. 7

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  3. 8

    "日枝案件"木村拓哉主演「教場 劇場版」どうなる? 演者もロケ地も難航中でも"鶴の一声"でGo!

  4. 9

    【埼玉・八潮市道路陥没「2次被害」現場ルポ】発生2週間、水は濁り死んだ魚が…下水放流地で見た河川の異変

  5. 10

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」