著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

麒麟・田村裕の“テンパり具合”が「コント55号」に重なる

公開日: 更新日:

 前回、麒麟の“聞く耳”を持つ柔軟性について書きましたが、麒麟の魅力はあの伝説のコンビ「コント55号」とタイプが非常に似ていると私は思っています。

「コント55号」といえば、萩本欽一さんと坂上二郎さんの、「飛びます! 飛びます!」など、舞台狭しと動き回るドタバタコント。時にテレビカメラから“見切れて”しまい、「カメラが撮れる範囲で動かなければいけない」というテレビの常識を変えてしまいました。

 一方、「麒麟」はおおむねセンターマイクを中心にしゃべる漫才。形はたしかに全く違うのですが、実は“ボケのツッコミいじり”が時としてボケに振り回され、気がつくとツッコミが“ボケ”の役割を果たしているところに同じにおいを感じてしまいます。

 川島君が繰り出す言葉に振り回されながらも愚直に対応しようとする田村君がどんどんパニックになっていくさまは、漫才作家の私から見ると、萩本(欽一)さんが自由自在に坂上さんを“転がしている”スタイルと根本では同じに見えるのです。

 萩本さんは以前「きっちりした台本はないの。(坂上)二郎さんに設定と役だけ伝えて、あとは僕がその時に感じたままをやって、二郎さんの自然発生的なリアクションを引き出すの。それが一番おもしろいから」と言われていました。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  2. 2

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  3. 3

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  4. 4

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  5. 5

    山尾志桜里氏“ヤケクソ立候補”の波紋…まさかの参院選出馬に国民民主党・玉木代表は真っ青

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  2. 7

    フジテレビCM解禁の流れにバラエティー部門が水を差す…番宣での“偽キャスト”暴露に視聴者絶句

  3. 8

    国分太一は“家庭内モラハラ夫”だった?「重大コンプラ違反」中身はっきりせず…別居情報の悲哀

  4. 9

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒