著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

「幸せ」への不安を乗り越えたバービーの変わらない芸風

公開日: 更新日:

 よく芸能の世界は「正負の理論」で語られることが多い。「スターは幸せであってはならない。不幸であるほどその分芸の道で輝く」(同前)と。それも彼女が結婚を避けようとする理由のひとつだった。芸人たるや、孤独でヤサグレてクズでなければ面白くなれないと思っていた。

 特に女性芸人においては「モテない、結婚できない、可哀想」というのが大きな武器になる。自身が認めるように、バービーもまた「そのど真ん中」の芸風だった。結婚したらそれが受け入れてもらえないのではないかという不安もあったし、結婚したからといって「勝ち組」のような席に移動させられるのも嫌だった。

 そんな中で彼とはインスタグラムのDMでのやりとりを通じて出会ったという。その後、「ホムパ合コン」の幹事同士として意気投合。2019年にアキレス腱を切る大ケガを負ったバービーを献身的に支えたのが彼だった。急速に仲を深めた2人は同棲を始め、事実婚などの選択肢を含め、そのメリット・デメリットなどについて2人で話し合いを続け、法律婚に至った。

 結婚後、初めての番組収録はギャグあり、大喜利ありのお笑い格闘技番組だった。そしてバービーは今までと変わらない芸風のまま立ち向かい、「今まで通りスベり、今まで通りの武器でウケた」(講談社「FRaU」21年4月17日)という。芸人として結婚したら失うものが多いのではないかという不安があったが、むしろ逆で「手持ちのカードは増えているようにさえ感じた」(同前)そうだ。

 冒頭の番組でも、バービーは陣内に「お祝い返し」がどこかに行ってしまったと、一緒に探すように頼み、お互いに身をかがめ、陣内に下着を見せつけ笑わせていた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋