「秘伝」高橋治著
                        「秘伝」高橋治著
 長崎県西彼杵半島。東海岸の茂木漁港には永淵良造、峠を2つ越えた西海岸の式見港には岸浪庸助という名うてのマダイ一本釣り漁師がいた。
 両雄は出会ったことはないが、若い頃からその名声は耳に届いていた。
 時は流れ、“式見の岸浪”から“茂木の永淵”へ一通の手紙が舞い込む。
 それには「わしゃあもうすぐ死ぬとじゃけん」「死ぬ前にふたりでイオ(魚)釣りばしたかと」とあった。
 恋文のような果たし状である。もちろん、永淵は誘いに乗った!
 決戦当日、岸浪が指定したのは、断崖が海に落ち込んで急深になっている場所だった。永淵は「鯛の根(岩礁のポイント)ではないな」と一目で見破る。物語はこの先、巨大魚イシナギ釣り対決へと急展開する。
「どげんしても負けられん」
 心にも体にも深い傷を持つ者同士が、愛憎を超えた死闘の果てに繰り出す秘伝の技とは?
 (講談社)

 
                             
                                     
                                        



















 
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
         
         
         
         
         
         
         
         
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                