著者のコラム一覧
世良康

広島県福山市出身。1948年生まれ。釣り歴40年余りの元日刊ゲンダイ記者。アユ、ヤマメ、磯釣りなどに親しむ。著書に「アユ・ファイター10年戦記」「釣りの名著50冊」「続・釣りの名著50冊」「首都圏日帰り地魚食堂38選」「文人・文士・食通が綴った絶品あゆ料理」(いずれも、つり人社刊)など。

公開日: 更新日:

「秘伝」高橋治著

 長崎県西彼杵半島。東海岸の茂木漁港には永淵良造、峠を2つ越えた西海岸の式見港には岸浪庸助という名うてのマダイ一本釣り漁師がいた。

 両雄は出会ったことはないが、若い頃からその名声は耳に届いていた。

 時は流れ、“式見の岸浪”から“茂木の永淵”へ一通の手紙が舞い込む。

 それには「わしゃあもうすぐ死ぬとじゃけん」「死ぬ前にふたりでイオ(魚)釣りばしたかと」とあった。

 恋文のような果たし状である。もちろん、永淵は誘いに乗った!

 決戦当日、岸浪が指定したのは、断崖が海に落ち込んで急深になっている場所だった。永淵は「鯛の根(岩礁のポイント)ではないな」と一目で見破る。物語はこの先、巨大魚イシナギ釣り対決へと急展開する。

「どげんしても負けられん」

 心にも体にも深い傷を持つ者同士が、愛憎を超えた死闘の果てに繰り出す秘伝の技とは?

 (講談社)

【連載】ベテラン釣り記者が厳選!いま読みたい釣りの名著ベスト7+1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  5. 5

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 8

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    沢口靖子も菅田将暉も大コケ不可避?フジテレビ秋ドラマ総崩れで局内戦々恐々…シニア狙いが外れた根深い事情