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増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

「時代に挑んだ男」加納典明(57)歴史や背景を徹底的に調べた上で、最後は感覚と感性で撮る

公開日: 更新日:

 作家・増田俊也氏による新連載スタート。各界レジェンドの生涯を聞きながら一代記を紡ぐ口述クロニクル。第1弾は写真家の加納典明氏です。

  ◇  ◇  ◇ 
 
増田「風景を撮るときは人物とはまた違う面白さがあるんですか」

加納「あるね。ワダツミとかシルクロードの写真とか、遺跡の写真とか面白かったよ。文献にもなりうるような写真も撮っていますから。ゲリラ戦とかで消えちゃったものはイランでもあったし、その歴史を調べて、遺跡を撮りに行って、王であったり、貴族であったり、そういうのを写真で大量に撮ってある」

増田「もともと歴史とか、そういうものには興味があったんですか」

加納「基本的に『日本はどうしてここにあるんだろう』っていうのがあって、日本なんて付録みたいな、あるいはお釣りみたいな感じが俺にはある。だから日本のルーツを知りたいというか、いろんな意味で、人類的にも文化的にも、その流れを知りたいと強く思った時期があって徹底的に調べたんです」

増田「歴史とかを調べてから撮影するんですね」

加納「例えば仏像とか、なぜこういうふうになってるんだっていうのは調べて、地元でも聞いたりして、それを知った上で撮りますよね。最終的には感覚で撮っていきますけど、それまでに知識や歴史を理解した方がいいと思っています。でもそれにとらわれすぎると写真が面白くなくなることがあるから最後は感覚と感性で撮ってますけどね」

増田「歴史や背景を押さえた上での感性」

加納「そういうのを背負ってやっぱり撮らないとダメだと思う。ぱっと撮るのは簡単だけど、それではダメだ」

増田「典明さんは『100歳までに画家として一流になる』という宣言をされていますよね」 

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