最大3倍のリスク!「歯周病」は「膵がん」の原因?
口の中を健康に保つことは、全身の健康状態のバロメーターのひとつであることが、最近注目されています。特に問題となるのが「歯周病」です。歯周病というのは、歯肉など歯の周辺の細菌感染症のことです。進行した状態は歯槽膿漏と呼ばれ、歯を失う原因として最も多い病気です。
口の中は正常な状態でも細菌が生育していますが、そのバランスが崩れて、粘膜に害を与えるような「悪玉菌」が増えると、それが歯周病の原因となるのです。真菌というカビの仲間が増えることもあります。
糖尿病など生活習慣病との関連も指摘されている歯周病ですが、じつは「膵がん」とも関連があるという指摘があります。膵臓のがんは、早期発見が難しく治療も困難であることから、そのリスクを減らし、がんを予防することが重要であると考えられます。
今年のがん研究の専門誌に、口の中の病原体と膵がんとの関連を検証した論文が掲載されています。アメリカで12万人以上を対象に、口の中の病原体と膵がんとの関係を調べたところ、歯周病を起こす複数の細菌と真菌などがあることにより、最大で3倍を超える膵がんリスクの増加が確認されたのです。
なぜ、口の中の病原体が離れた場所にある膵臓のがんの原因となるのか、まだ詳細は不明ですが、歯周病のケアをすることは、口の中の健康ばかりでなく、がんの予防にもなる可能性があるようです。



















