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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

関水渚「八月は夜のバッティングセンターで。」は、実にテレ東らしい試み

公開日: 更新日:

 オリンピックの喧騒も静まる深夜。スポーツ、それも野球を取り込んだ異色のドラマが流されている。「八月は夜のバッティングセンターで。」(テレビ東京系)だ。

 舞台は都内にある、ひなびたバッティングセンター。経営者である伯父に頼まれ、夏休みのアルバイトとして受付や雑用をしているのは女子高生の夏葉舞(関水渚)だ。

 ある日、客のスイングをじっと眺めている不審な男、伊藤智弘(仲村トオル)を発見。伯父の知り合いで元プロ野球選手だという伊藤は、「バッティングを見れば、その人が抱える悩みや苦しみが分かる」と豪語する。

 舞と共に、悩める女性客を“バーチャルな野球場”へとワープさせる伊藤。そこには実物の「レジェンド選手」がいて、彼らが人生のアドバイスを与えてくれるのだ。

 社内で自分が評価されないと嘆くゆりこ(木南晴夏)に、元メジャーリーガーの岡島秀樹が「雑念を捨てて黙々と仕事をすればいい」と教える。また、傷つくことを恐れて恋愛に臆病になっていた佳苗(堀田茜)を、楽天などで活躍した山崎武司が「バットを振らなきゃヒットも生まれない」と励ます。いわば“野球に学ぶ人生論ドラマ”という試み。実にテレ東らしい。

 ドラマ初主演となる関水の印象は鮮やかで、今後のブレーク必至。女性たちを応援する仲村も、50代半ばの渋さが何ともいい味になっている。

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