著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

親父の背中を追いかけたおかげで山田裕貴は強くなれた

公開日: 更新日:

 だから、いわゆる「イケメン俳優」がたどるスカウトやコンテスト優勝などといった華々しいデビューではない。俳優養成所に通い、ファストフード店や居酒屋でバイトをしながら、エキストラなどをして演技の勉強をしていった。上京=仕事を取りに行くという考え方だったから、「ダメだったら帰ろう」などという甘い考えは一切なかったという。

「その大きな理由は父親」だと山田は言う。

「父は18歳でプロになって仕事をしていましたから、その時点で僕は負けている。常に負けを親という近い存在から与えられている気がしていました」(同前)

 そうして掴んだのが、2011年の「海賊戦隊ゴーカイジャー」(テレビ朝日)のゴーカイブルー役だった。いわゆる若手俳優の出世コースだ。だが、「嬉しいけどこれが終わったらどうなるんだという、不安の方が」強く「ひたすらもがいてきた感じ」(扶桑社「Numéro TOKYO」19年8月21日)だったそう。その泥くささが山田の俳優としての強さにつながっているのだろう。


 18年に山田裕貴はナゴヤドームのマウンドに立った。始球式を行うためだ。その背番号は父親が中日時代につけていた「30」。登板後、「野球をあきらめて俳優を目指してからの夢が、いつか始球式に登板することでした」と涙ながらに語り山田は続けた。

「親父の背中を追いかけていた頃を思い出しました」(イード「cinemacafe.net」18年8月10日)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃