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吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<116>「全財産を田辺市にキフする」赤いサインペンで書かれた異常な「いごん」

公開日: 更新日:

 アプリコを閉鎖しようとしていた6月半ばごろに野崎幸助さんの「いごん」の存在をにおわす記事が週刊ポストに載った。具体的な内容ではなかったが、〈ドン・ファンの遺言が存在する〉〈田辺市に寄付するようだ〉とあり、私はピンときた。どうやらチョビひげのMやその知人のOが動いているらしい。

 その同じ頃にOは私にドン・ファンの遺言書があることを記事にしないかと打診してきた。

「そんなデタラメは書けませんって」

 私が一笑に付したのでOは週刊文春にもネタを振ったのである。それを受けて週刊文春は、ドン・ファンの遺言があり資産を全部田辺市に寄付するとある、という記事にした。8月初旬に掲載されたこの記事は、遺言の文面が違っているし、何よりも赤いサインペンで書かれている異常な遺言であることが記されていなかった。「赤いサインペンで書かれた遺言」という見出しでも打ちたくなるような案件であるのに、なぜかそこには全く触れていない。実物を見ずにOの話だけで書いたのだろうと直感した。

「あんな遺言は全くの捏造だから私は絶対に認めないから」

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