得体の知れないNHKドラマ「しもべえ」 安田顕の怪演が笑えるが最後は泣くよ

公開日: 更新日:

 安田顕のおじさんがアブなくて実にかっこいい。NHKドラマ10「しもべえ」(総合・金曜午後10時)は、女子高校生の鴨志田ユリナ(白石聖)が「しもべのしもべえ」というスマホアプリをうっかりダウンロードしたら、ピンチになると風体怪しいこわもておじさんがどこからともなく現れるようになり、窮地を救ってくれるというコメディー。

 不良グループに絡まれていると、砂煙を上げて駆けつけ、ワルどもをコテンパンにやっつけてしまう。カフェでパンケーキ代が足りないと、いつの間にか隣のテーブルに座っていてお金を置いていってくれるし、通学途中のにわか雨に困っていると、傘を差し掛けて急げと促す。しかし、自分はずぶ濡れになって風邪をひいてしまう。ひと言もしゃべらず、疾風のように現れて、疾風のように去っていく。おじさんは何者なのか。なぜ助けてくれるのか。安田の怪演が笑えて痛快だ。

 しもべえの正体は不明だが、安田顕も“変態キャラ”を自任するえたいの知れない俳優である。大泉洋戸次重幸らの演劇ユニット「TEAM NACS」のメンバーで、「水曜どうでしょう」の準レギュラー。特技は牛乳早飲み逆噴射と泥酔全裸。悪人面で、ためらわず人を殺すような危険なにおいを放っている。かなり不気味なキャラだが、そんな安田が優しいおじさんを演じる落差がいま人気なのだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る