池内ひろ美さん思い出のご飯 岡山の珍しい郷土料理「鮒飯」

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 家庭問題のコンサルティングを行うとともに離婚や女性に関する問題のエキスパートとして知られる池内ひろ美さん。思い出のご飯は鮒を使って作る、岡山の珍しい郷土料理……。

 母は昭和初期の生まれですが、今、思うとハイカラだったんじゃないかな。誕生日のお祝いやクリスマス、テストでいい点を取ったなど何かいいこと、褒められるようなことをした時にはミートローフのベーコン巻きを作ってくれました。

 でも、おふくろメシは? と聞かれたら迷わず「鮒飯」ですね。

 これは私のふるさと岡山の郷土料理で、冬になると食卓に出てくる家庭料理です。淡水魚の鮒で作ります。まず、ミンチにした鮒を炒めてそぼろ状にします。材料は薄くいちょう切りにした大根とニンジン、ささがきにしたゴボウで、ゴボウはあくを取っておきます。それから小さめの乱切りにした里芋、お揚げは細切りに。これらを鮒のミンチの中に入れて炒め、水とお酒と醤油とみりんで味を調え、最後に春菊を散らします。スープのように召し上がる家庭もあるようですが、ウチではご飯の上にのせて丼のようにしていただきました。

 時々懐かしくなって食べたいって思っても、売ってないんですよね。だから、自分で作るしかないんです。温まりたいなって思った時とか……きっと心が寒かったのかな(笑い)。食べると体が芯から温まります。

■母が塾を経営、生徒指導の合間に手際よく

 私の育った田舎ではイノシシやキジを仕留めたご近所さんから、お裾分けをいただくことがありました。小学生の頃は家に帰ると、首のない血抜きされたキジがぶら下がっていたんですよ。その羽を私がむしって下ごしらえしていました。小学生にしては結構ハードなお手伝いでしたね。

 母はとても料理上手でした。魚を三枚におろすとか鳥をさばくとか、料理の基本も一通り教えてくれました。でも、鮒飯を作る時にお手伝いをした記憶がないんですよ。母屋の離れで塾を経営していて、生徒指導の合間に手際よく料理を作る母でした。だから、忙しい夕食の支度時間に、のんびり屋の私は邪魔だったのかもしれません(笑い)。

離婚後忙しくしていると母が食べ物を送ってくれた

 離婚する前は専業主婦でしたが、5歳の娘を連れて離婚をしてからはすでにライターとしての仕事が毎日忙しく、ほとんど料理をしていませんでした。

 そんな私に母は時々食べ物を送ってくれたんです。冬になると鮒のミンチが入っていて、鮒飯を作りました。

 娘からは「甘くておいしい」って褒められたんですよね。多分、間違えてお砂糖を入れちゃったんだと思います(笑い)。

 実家のは甘くなかった気がするの。母の味を再現することがなかなかできなくて関西の甘いすき焼き味に近いものになっちゃったんでしょうね。

 それでも娘にとってはママが手料理を作るというだけで、大喜びしてくれました。何を作っても「おいしい、おいしい」って言ってくれて。いい子です(笑い)。

 そんな状態だったので娘は小学校1年生の時から一人で料理をしていました。

 ただ、火を使うのは危ないので「炊飯器でできるものなら何でも作ってもいい」と言っていました。簡単な炊き込みご飯や煮物とか。最終的にはケーキまで作れるようになったんですよ。

 彼女がイギリスに留学していた時、各国の人と知り合い、自国の料理を教え合ったりしたそうです。そのおかげでいろいろな国の家庭料理を習得して帰ってきました。

 とくに韓国のキンパ(のり巻き)がおいしい。彼女の作る料理の中で一番好きです。それから豚汁かな。この組み合わせが最高においしいです。

(取材・文=李京榮)

▽池内ひろ美(いけうち・ひろみ) 1961年岡山県出身。家族メンター協会代表理事、内閣府後援女性活躍推進委員会理事。女性の尊厳を守るための途上国少女の教育支援、震災での女性支援をしている「一般社団法人日本女子力推進事業団」Girl Powerの活動に代表理事として力を入れている。
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