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芋澤貞雄芸能ジャーナリスト

1956年、北海道生まれ。カリフォルニア州ロサンゼルスでテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌を中心に30年以上にわたり芸能・スポーツを中心に取材活動を続ける。代表的なスクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在は、星野源、ディーン・フジオカから羽生結弦、浅田真央まで幅広く取材活動を続ける。日刊ゲンダイDIGITALや現代ビジネスなどで執筆中。ツイッター現代デジタル芸能界一の嫌われ記者 芋澤がぶっちゃける極秘情報

平手友梨奈、土屋太鳳、川口春奈の三つ巴 NHK大河「鎌倉殿の13人」静香御前役は誰か?

公開日: 更新日:

 脚本家・三谷幸喜氏(60)の絶妙な人物描写によって、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」がじわじわと視聴率を上げている。そして今、視聴者が最も楽しみにしているのは、近々に登場する菅田将暉(28)が演じる源義経の妾、静御前を誰が演じるかということだ。

「鎌倉殿」のキャスティングに関しては小栗旬(39)の発表以降、三谷氏の意向もあって小出しにされているが、“最後のサプライズ”がこの静御前だという。チーフプロデューサーも「あっと驚く女優を押さえています」と以前から含み十分に公言していることから期待が高まる。

 そもそもこの静御前のキャスティングはどのように決まるのか。ベテラン芸能マネジャーに聞いてみた。

「私の経験上、局や決定権を持つプロデューサーと関係が良好な芸能プロダクション所属の俳優から順繰りに決まり、中小の事務所がその余りを奪い合うという構図です」

 このアドバイスに基づき、「鎌倉殿」のプロデューサーたちのキャリアを調べていくと、「いだてん~東京オリムピック噺~」や「精霊の守り人」、朝ドラの「半分、青い。」や「エール」を手掛けていたことがわかった。

 そうなると、綾瀬はるか(36)、杉咲花(24)、永野芽郁(22)らの名前が真っ先に浮かぶ。しかし、綾瀬には年齢とスケジュールの問題があるし、杉咲と永野には、静御前の“妖艶な踊り手”というキャラクターに結びつきにくい。

日に日に高まる平手友梨奈の評判

 むしろ着目すべきは綾瀬や杉咲、永野や二階堂ふみ(27)らと同じ所属事務所の女優の存在だろう。そう考えると次は川口春奈(26)、土屋太鳳(27)といった名前が浮かんでくる。

「局と芸能プロの関係もそうですが、今回は脚本家である三谷氏の“イメージキャスト”に重きが置かれるでしょうね。つまり“当て書き”が得意な三谷氏がどんな女優をイメージして本を書いているのか……という問題です」(前出のベテラン芸能マネジャー)

 さらに、制作現場に関わった大河ドラマの元スタッフにも話を聞いてみた。

「選考が横一線で並べば、重要視されるのは局への貢献度ということになるでしょうね。朝ドラへの出演実績とか、単発ドラマで好評だったというキャリアがあれば“プラス評価”されることはまず間違いありません」

 この証言を踏まえると、川口と土屋はこのハードルをクリアしているが、前出の元スタッフは「演じる側にとって、この静御前が少々くせ者なのは、中世日本の難解な所作と高い踊りの技術が求められるということです。少々踊りが苦手でも脚本に手心を加えれば何とでもなると思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それでは細かい演出を好む三谷さんが納得しないでしょう」と指摘した。

 貢献度、所作や踊り、そして菅田との関係性を考えたとき、消去法でこれらの条件を全てクリアできるのは平手友梨奈(20)くらいしかいないと筆者は考える。平手がNHKに貢献したのは昨年暮れに2週にわたってオンエアされた女性騎手のドラマ「風の向こうへ駆け抜けろ」くらいだが、ドラマの評価はすこぶる高かった。あるNHK幹部は「将来、大きな仕事を任せられる女優」と太鼓判を押したとも伝えられている。

 踊りについては5歳から中学生時代まで習っていたバレエの経験と元「欅坂46」のパフォーマンスを見れば十分だろう。何より筆者が平手に注目しているのは、女優としてまだ“手垢が付いていない”ことである。

 川口には「麒麟がくる」の濃姫の残像がいまだに消えないし、土屋はいまだに「まれ」の津村希のイメージが強く残る。踊りの名手で、なおかつ情熱的な女性だったといわれる静御前は、平手の新境地を開くだろう。

 ゴールデンウイーク以降、前半のヤマ場ごろに登場するといわれている静御前。「鎌倉殿」にとって重要なキャスティングであることだけは間違いない。

(芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄)

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