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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

【朝ドラ「ばけばけ」ウラの見所】夢か幻か…吉沢亮、渾身の演技に疑問も吹っ飛ぶ。ありがとう、錦織さん

公開日: 更新日:

第23週「ゴブサタ、ニシコオリサン。」#115

 久しぶりに松江の朝を迎えたヘブン(トミー・バストウ)。しかし、かつて感じたはずの感情が音を聞いても、風景を見ても、なにも感じられない。自分の変化に動揺するヘブンに声をかけたのは、錦織(吉沢亮)だった。

 声をかけられたヘブンは自分は八雲だ、日本人だと告げる。ヘブンに錦織は日本人になる意味、錦織が反対する理由、ヘブンの現実を淡々と突き付ける。そんな2人の様子をトキ(高石あかり)は目撃する。

【本日のツボ】

吉沢亮、渾身の演技

「何をうろたえているんですか? 何も感じなくなってしまったからじゃないですか? かつてあれほど心を動かされたこの景色に…。違いますか? ヘブンさん」

 橋の上での錦織とヘブンのシーンはあまりに幻想的すぎて、ヘブンが夢か幻を見ているのかと思ってしまいました。現実だとすれば、早朝に体調の悪い錦織がなぜあんなところに居たのか。ヘブンが旅館から飛び出してくることを見越していたということになります。まさか、しじみを買いにきたわけではないでしょうし…。

 もっとも、吉沢亮の渾身の演技はそんな疑問も吹っ飛ぶほどの迫力でした。見事、ヘブンの作家魂に火をつけることに成功。リテラシー・アシスタントとしての最後の仕事を果たしました。

 ついでに知事を説得してくれたようで、おトキとヘブン、そして勘太は無事に雨清水家の養子になれました。「私は知事からの信頼を得られない」と言っていた錦織がどのようにしてあの知事を説得したのか、見たかった気もしますが…。

すべて錦織さんのおかげ

 その後、瞬く間に出版された「東の国から」レフカダ・ヘブン著。贈られてきたその本を手に取った錦織、扉に書かれていた言葉に微笑みます。

「出雲時代の懐かしい思い出に。錦織友一へ」 

 そして、「数カ月後、錦織さんはこの世を去りました」というナレーションとともに、主のいなくなった部屋と机に置かれた本が映されました。最後はナレ死でしたが、錦織さんの笑顔で終わったのはなによりでした。ありがとう、錦織さん。

 次週(第24週)のタイトルは、「カイダン、カク、シマス」。ようやく怪談を書いてくれそうです。これも錦織さんのおかげです。

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