著者のコラム一覧
ラサール石井参議院議員

1955年生まれ。大阪市出身。渡辺正行、小宮孝泰と結成したお笑いトリオ「コント赤信号」で人気に。声優、俳優、司会者、脚本家、演出家、コラムニストとして活躍。第23回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。2025年、参院選に社民党から立候補し当選。副党首に就任。

星屑の会「王将」は関西弁の役をずっと断ってきたでんでんさんが哀愁ある坂田三吉に

公開日: 更新日:

 下北沢の劇場B1は満員でも100人入るか入らないかの小劇場中の小劇場。そこでたった1週間。今や売れっ子のでんでんさんや戸田恵子さんを拘束するのはそれがせいぜい。料金もあまり高くは設定できない。当然実入りは少なく、役者に正規のギャラは払えない。それでもみんな、このメンバーでやりたい気持ちと水谷さんへの信頼で快く出演してくれた。

「王将」は北條秀司氏の名作。新国劇の当たり狂言で、村田英雄の歌や「浪花恋しぐれ」で有名な、大阪の棋士・坂田三吉の物語だ。実は3部作で、まともにやれば9時間はかかる超大作である。それをぎゅっと凝縮して、それでも短い休憩を挟み、2時間45分の大作になった。

 坂田三吉を演じるのはでんでんさん。出ずっぱりで膨大なセリフ。しかも、コテコテの大阪弁。実は今まででんでんさんは関西弁の役はずっと断ってきたのだそうだ。しかし1年にわたる並々ではない努力で見事浪速の棋士を演じ切っている。コミカルとシリアスがない交ぜになり、実に哀愁のある坂田三吉が出来上がった。

 娘の玉枝を演じる戸田恵子さんも17歳から50歳までを可愛く老獪に演じていて素晴らしい。そして、その他のメンバーも何人もの登場人物を場面によって演じ分ける。還暦を過ぎた有薗芳記が6歳の孫の役までこなす。

 長いお芝居をカットして短くしたことで、小説が詩になったような印象の芝居になった。

 高齢化にもコロナ禍にも負けず、役者は皆、セリフが発せられる限り、体が動く限り芝居を続けていく。私たちにはそれしかない。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    愛子さまが8月に伊勢神宮「式年遷宮」視察へ 将来は「祭主」を継ぐ可能性も

  2. 2

    阿部慎之助氏の巨人監督復帰が絶望的なワケ…親会社が断固として許さない暴力行為の重み

  3. 3

    バレーボールとビーチバレーで五輪4度出場 高橋有紀子さんは横浜で寿司屋の女将になっていた

  4. 4

    三山凌輝「裏切り愛」でも愛娘・趣里に離婚を勧められない水谷豊&伊藤蘭の悲痛

  5. 5

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  1. 6

    巨人橋上監督代行は本当に「今季限り」でいいのか…他球団から“引き抜き”に要注意

  2. 7

    これぞ維新クオリティー!「副首都法」成立直後に「同日選強行」断言…吉村代表が重ねた約束反故とデタラメ

  3. 8

    検察組織は落ちるところまで落ちた 東大法卒の「特捜部エース」が“ヒモ”とは…世の中真っ暗闇

  4. 9

    不倫疑惑報道の三山凌輝 要注意人物でも“不適切密会”に持ち込めてしまう「人たらし」の極意に迫る

  5. 10

    「ブルーカラー・ビリオネア」には到底なれない…60代の元ブルーカラーは今無職