著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

沖縄が舞台のNHK朝ドラ「ちむどんどん」と「ちゅらさん」を徹底比較した

公開日: 更新日:

 NHK朝ドラ「ちむどんどん」がスタート、早くも3週間が経った。沖縄本土復帰50周年を記念した沖縄を舞台にした朝ドラだ。

 沖縄を舞台にした朝ドラといえば、「ちゅらさん」。2001年4月スタートだから20年以上も前の作品だが、いまだに強く心に残っている。

 以前、特設サイトで思い出の名シーンランキング企画があった。1位「ちりとてちん」、2位「半分、青い。」、3位「あまちゃん」と続き、「ちゅらさん」は4位に選ばれた。しかも続編がパート4まで作られた朝ドラ100作の中でも特筆すべき作品だ。そこで2つの比較を。

■「ちむどんどん」には“おばぁ”がいない

 まずヒロインとその家族。「ちむどんどん」のヒロイン黒島結菜。父を大森南朋、母を仲間由紀恵、兄を竜星涼、姉は川口春奈、妹に上白石萌歌。「ちゅらさん」はヒロインは国仲涼子、父が堺正章、母が田中好子、兄がガレッジセールのゴリ、弟が山田孝之だった。

「ちむ」は何か足りないと思ったら「おばぁ」がいない! 「ちゅらさん」を語るうえで外せないのが平良とみ演じるおばぁだ。真っ先にあの人懐っこい笑顔が蘇る。おばぁはナレーションも兼任、ウチナーグチ(沖縄ことば)のなんともいえない響きが心地よかった。

父と兄は似ているが、兄がクズすぎる

 似ているのは三線を弾く父、そしてトラブルメーカーの兄。三線もさまになっていたが、大森は早々に亡くなったけど。

「ちむどんどん」の兄がクズすぎると早くも話題をさらってる。子供の頃に買ってもらった頭がよくなるベルトを7年経った今も着けているが、一向に頭が良くなる気配はない。それどころか山ほど借金を抱えているのに働かないのもすごい。「ちゅらさん」の兄も似たようなものでゴーヤーマンなるキャラグッズで一獲千金を夢見るが売れなかったのだ。

 ところが、ゴーヤーマンはドラマの中では売れなかったが、カワイイと人気になりグッズ化もされ、NHKに富をもたらしたラッキーキャラだ。「ちむどんどん」にもなにかしらのキャラが出てくることを期待。

■主題歌がピンとこない

 主題歌が「ちゅらさん」はKiroro「Best Friend」。「ちむどんどん」は三浦大知「燦燦」、どちらも沖縄出身のアーティストだが、「ちむどんどん」の主題歌はもうひとつピンとこない。もっとも、前作「カムカムエヴリバディ」のAI「アルデバラン」も最初は喧しくてそこだけ音量を小さくしていたが、終盤にかけ何度も泣かされた。今回の曲も好きになれるといいのだが……。

 とにかくあれほど貧乏をこじらしていたのに7年経ったら、姉は短大出て教師に、妹2人は高校生ってどこにそんなお金が! 最終回で伏線回収なんてもったいぶらないで、早くそのからくりを教えて欲しい。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  2. 2

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  3. 3

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    長嶋一茂は“バカ息子落書き騒動”を自虐ネタに解禁も…江角マキコはいま何を? 第一線復帰は?

  1. 6

    嵐ラストで「500億円ボロ儲け」でも“びた一文払われない”性被害者も…藤島ジュリー景子氏に問われる責任問題

  2. 7

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択

  3. 8

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  4. 9

    "お騒がせ元女優"江角マキコさんが長女とTikTokに登場 20歳のタイミングは芸能界デビューの布石か

  5. 10

    長女Cocomi"突然の結婚宣言"で…木村拓哉と工藤静香の夫婦関係がギクシャクし始めた

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    横綱・大の里まさかの千秋楽負傷休場に角界から非難の嵐…八角理事長は「遺憾」、舞の海氏も「私なら出場」

  3. 3

    2026年大学入試はどうなる? 注目は公立の長野大と福井県立大、私立は立教大学環境学部

  4. 4

    東山紀之「芸能界復帰」へカウントダウン着々…近影ショットを布石に、スマイル社社長業務の終了発表か

  5. 5

    「総理に失礼だ!」と小池都知事が大炎上…高市首相“45度お辞儀”に“5度の会釈”で対応したワケ

  1. 6

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  2. 7

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  3. 8

    義ノ富士が速攻相撲で横綱・大の里から金星! 学生相撲時代のライバルに送った痛烈メッセージ

  4. 9

    同じマンションで生活を…海老蔵&米倉涼子に復縁の可能性

  5. 10

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択