著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

春ドラマのここが変だ!「未来への10カウント」のキムタクはボソボソしゃべる中年男

公開日: 更新日:

 今週は春ドラマ綾瀬はるか主演の「元彼の遺言状」(フジテレビ系)や二宮和也主演「マイファミリー」(TBS系)、木村拓哉主演「未来への10カウント」(テレビ朝日系)など局のイチ押しと思われるドラマはどれも正直ピンとこない。

 綾瀬はやっぱり笑顔が見たいが、このドラマではトゲトゲ女。デキるオンナ感を出しているのだろうが、視聴者が求めているのはコレジャナイ。

 二宮も妻役の多部未華子もセレブに見えないのがドラマに入り込めない一因。誘拐されたのが11歳の娘というのも違和感あり。5歳児ならまだしもそんな大きな子がいるようには見えない。

キムタクドラマは脇役がすごい

 キムタクのドラマは毎度のことながら脇役がすごい。満島ひかり内田有紀柄本明に生瀬勝久に安田顕八嶋智人、亡き妻役に波瑠、King&Prince高橋海人が生徒役で転校生で村上虹郎も出るから「ドクターX~外科医・大門未知子~」並みの豪華さだ。

 集めるだけ集めたところで、ドラマのメインはキムタクをカッコよく見せること。なので、キムタクがコーチを引き受けたボクシング部の生徒たちはポンコツ扱い。

 キムタクは将来有望なボクサーだったが、大学2年の時に網膜剥離になり断念。妻を亡くして世をはかなむというのはわからなくもないが、セリフもボソボソしゃべりで聞き取りにくい。48歳とせっかく実年齢に近い役なのにウジウジといつまでやさぐれているのかという感じだ。これから生徒にボクシングを教えながらキムタクが輝くという趣向だろうが、果たしてそれを望む視聴者がどれだけいるのだろうか。

ヤンキー、間宮祥太朗が「カ・イ・カ・ン」

 同じ学園モノならフジテレビが4月から新しくドラマ枠にした水曜夜10時「ナンバMG5」がバカバカしくて面白い。

 間宮祥太朗演じる伝説のヤンキー一家「難破家」の次男・剛が高校入学を機に「普通の高校生になりたい」と家族に内緒で健全な高校に入学。家族の前では特攻服を着たヤンキー、学校では真面目な高校生という二重生活をスタートさせる。

 父親が宇梶剛士、母親が鈴木紗理奈とホンモノのヤンキー(!?)を起用しているところもツボ。

 乱闘シーンで間宮が一人で何十人もを相手に闘う姿は「カ・イ・カ・ン」(by薬師丸ひろ子)。こんなに強いのだからキムタクの高校でボクシングをやればよかったのに……。このドラマといい「今日から俺は!!」(日本テレビ系)といい、ヤンキードラマはテッパンで面白い。

 なぜこうもヤンキードラマが人気なのか。やはりわかりやすさではないか。気に入らないヤツだから殴る。強いものが勝つ。なんともシンプルだ。

 生身の喧嘩は殴る方も殴られる方も痛い。姿を見せずSNSで相手を攻撃する陰湿な手口が横行する時代ならではかも。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「マラソン」と「大腸がん」に関連あり? ランナー100人への調査結果が全米で大きな波紋

  2. 2

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態

  3. 3

    高市総裁「首相指名」に漂う不安…自民党内は“厭戦ムード”も燻る火種、飛び交う「怪文書」の中身

  4. 4

    秋季関東大会で横浜高と再戦浮上、27連勝を止めた「今春の1勝」は半年を経てどう作用するか

  5. 5

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  1. 6

    高市自民、公明からの三行半で早くも本性露呈…「やられたら秒でやり返す」「イキらなきゃ負け」のオラオラ体質

  2. 7

    出来たとしても高市政権は短命…誰も見通せない激動政局の行方を徹底分析(前編)

  3. 8

    佐川宣寿元理財局長のメール開示「遺族と話し合う」…森友文書で加藤財務大臣が明言

  4. 9

    進次郎氏落選もダメージなし? 妻・滝川クリステルが目指した「幸せ家庭生活」と耳にしていた夫の実力

  5. 10

    侍J井端監督 強化試合メンバー発表の裏に「3つの深謀遠慮」…巨人・岡本和真が当選のまさか