是枝裕和監督の最新話題作「ベイビー・ブローカー」が投げかける“家族”とは何か

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 女性たちが人工妊娠中絶する権利を認めた73年の「ロー対ウェイド判決」を、米連邦最高裁が覆した“事件”は、全米世論を二分する騒動に発展した。芸能界では女優のアン・ハサウェイや歌手のセレーナ・ゴメスらが即座に言及。中でも「ワイルド・スピード」で知られる人気俳優だった故ポール・ウォーカーの娘メドウ氏は、「歴史の後退」と激しく批判した。

 こうした米芸能界の反応について、映画批評家の前田有一氏が解説する。

「望まぬ妊娠に対し、憲法上認められていた女性の権利を今回否定したのは、共和党が指名した保守派の最高裁判事たちです。大統領時代のトランプ氏が、退任・死去したリベラル派判事の後継に保守派を指名し、両派のバランスを崩したことが原因とされています。国民の分断を招くこうした恣意的な権力行使こそが、ハリウッドがトランプ政権批判を続けていた理由の一つでした。このような、右派政治に対する映画界からの反発は世界的な傾向で、たとえば仏カンヌでも是枝裕和監督の『ベイビー・ブローカー』が絶賛されるなど、多様性や寛容さを称える作品がリスペクトされる傾向にあります」

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