「芸術祭十月大歌舞伎」尾上松緑主演の新作「荒川十太夫」が今月のベスト

公開日: 更新日:

 今月は国立劇場に尾上菊之助中村勘九郎・七之助たちの平成中村座と、三座が開いている。そのせいか歌舞伎座は役者が薄い。

 そのなかで第一部が見応えがある。客席も満席に近い。市川猿之助の「鬼揃紅葉狩」は、いわゆる「紅葉狩」を、三代目猿之助が新演出したものを、当代の猿之助、松本幸四郎で。前半からリズミカルで、躍動感がある。

 続いての新作「荒川十太夫」が、今月ではベスト。講談師・神田松鯉の人気作を歌舞伎にしたもの。赤穂義士の外伝のひとつで、討ち入りを終えた堀部安兵衛の切腹シーンから始まる。ここが映画的な演出で、すごいものが始まりそうとの予感を抱かせる。

 主人公の荒川十太夫は身分を偽っており、その真相が一種の裁判劇として明かされていく、ミステリータッチの芝居だ。過去を物語るのは、古典歌舞伎では、あくまで「語る」わけだが、本作では回想シーンとして演じられ、この部分の演出がよくできている。

 回想シーンに出てくる堀部安兵衛は猿之助で、「そこにはいない人物」と観客に分からせつつも、そこに本当にいるように見せる難役を、的確に演じていた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網