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北島純映画評論家

映画評論家。社会構想大学院大学教授。東京大学法学部卒業、九州大学大学院法務学府修了。駐日デンマーク大使館上席戦略担当官を経て、経済社会システム総合研究所(IESS)客員研究主幹を兼務。政治映画、北欧映画に詳しい。

映画で理解する「インドは何が凄いのか?」 大ヒット中「RRR」は製作費97億円の超大作!

公開日: 更新日:

 ビームを演じるN・T・ラーマ・ラオJr(通称NTRJr)とラーマ役のラーム・チャランはともにテルグ語映画界(テルグ語はインド南東部の言語)で活躍する「イケおじ」俳優で、ヒンドゥー神話の2大叙事詩「ラーマーヤナ」「マハーバーラタ」を想起させる濃い演技と踊りを見せつける。

 テルグ語映画の中心地ハイデラバードは、ヒンディー語映画のムンバイ(旧ボンベイ)が「ボリウッド」と呼ばれるのと並んで、「トリウッド」と称される。多言語で映画を製作・配給できる市場の厚みがインド映画の武器で、国内製作本数は世界一。日本でも「ムトゥ 踊るマハラジャ」(日本公開98年)や「きっと、うまくいく」(日本公開13年)でファンを獲得してきたが、インド映画はいま世界的な脚光を浴びている。

■世界最大のデモクラシー国家としての政治的安定性と豊富な人的資源

 その背景にあるのが、近年増す一方のインドの存在感だ。地球の人口80億人のうちインド人は約14.2億人。中国(約14.3億人)を抜いて2023年には世界一になる見込みだ。米中冷戦でサプライチェーンの分断が起きる中、工場や調達先を中国から他へ移動させる「脱中国」を余儀なくされるグローバル企業が熱い視線を送る先が巨大市場インドである。

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