著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

不毛な世代間闘争、「世代」という名のカメラでは解像度が低すぎる

公開日: 更新日:

 世代と価値観の話をしよう。今さら聞けない時代のキーワードの話を。

 ゲンダイ読者に「Z世代(ジェネレーションZ)」という言葉はどれほど浸透しているだろうか。ウィキペディアによれば、アメリカ合衆国において1997年から2012年に生まれた人たちのこと。遡っていくと81~96年生まれの「ミレニアルズ(Y世代)」、65~80年生まれの「X世代」となる。

 アルファベットを使った世代分類はXから始まった。「ジェネレーションX」は、日本の出版社マガジンハウスで働いたこともあるカナダの小説家ダグラス・クープランドが91年に出版した同名小説に由来する(ロバート・キャパの50年代のフォトエッセイが初出という説あり)。Z世代はX世代の子どもたち、というのが大まかなイメージ。物心ついた時には親がスマホを使い、ネットは常時接続が当たり前という世代。いわゆるデジタルネイティブですね。

 いまアメリカではX世代が総人口の20%強といわれ、社会の中枢を担う世代として注目されている。対して日本ではZ世代にあたる11歳から25歳は総人口の13%程度。X世代のひとりとしては、いろんな負の遺産を背負わせるのが心苦しい低い数字である。全世界となるとZ世代は約25億人、全人口の3割以上におよぶという。そりゃあK-POPも世界輸出を目指したわけだ(じゃあ日本はなぜ目指さなかったの?)。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較