所ジョージは好かれ、たけしは嫌われる…2人の“大御所”は何がどう違うのか?

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大江健三郎も所ジョージのファンだった

 所の魅力のもうひとつは、軽妙で肩ひじ張らない「いい加減さ」だ。その軽さには達観がある。「自分は愚かで、愚にもつかない人間だと思っていれば、笑えるのね。もっと言うと、人はそもそも愚かだと思えばいい」「俺のやってることなんて、失敗って言えば全部失敗だし、成功だと思えば、全部成功だよね」という。所が番組で決して偉そうにしないのは、自分はとくに才能があるわけではないが、みんなと一緒に騒ぐのは上手と思っているからだろう。

 同じ“大御所”でも、ついつい分かったようなことを口走って周りを凍り付かせるたけしとはここらあたりが違う。

 所と同じ東京・成城に住んでいて、近所付き合いしていたノーベル賞作家の大江健三郎は、「所さんの世田谷ベース」(BSフジ)を欠かさず見ていて、「(所は)インディペンデントで、芸風がすっきりしていて嫌みがないので、家族みんなでファンです」と語っていた。

 テレビ情報誌の編集デスクもこう言う。

「所さんのような、“仕事は遊び、遊びが仕事”というライフスタイルは、サラリーマンのあこがれですが、新型コロナ禍でリモートワークが広がり、職住だけでなく遊びも近接して、所さんの真似事が少しできるようになっています。彼の“遊び”の紹介や好奇心を刺激する番組は、“参考書”としてしばらく続きそうですね」

 秋には新番組の企画もあるという。

(コラムニスト・海原かみな)

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