名女優・田中裕子の面目躍如! カンヌ2冠の是枝監督作品で魅せた圧巻の“怪物”的演技

公開日: 更新日:

 先のカンヌ国際映画祭で脚本賞と「クィア・パルム賞」の2冠を達成した是枝裕和監督の「怪物」が、公開1カ月を過ぎても話題が途絶えない。

 是枝監督にとっては定評のある子役たちの名演もさることながら、いずれ劣らぬ芸達者の中でも、物語のカギを握る人物を演じる女優の田中裕子(68)の存在感も語り草だ。

 田中は最初、教師からの我が子への暴力を疑い学校へ乗り込んでいくシングルマザーの母(安藤サクラ)に対峙する校長先生として登場する。何を言われても、「ご意見は真摯に受け止め、今後より一層の……」とマニュアル通りの返答を繰り返すばかりで、事なかれ主義の権化のような役柄だ。映画批評家の前田有一氏はこう話す。

「ああいう役柄もやりすぎると、ともすれば漫画的になってしまいますが、リアリティーを失わないギリギリの演技で、視聴者の印象に強く残ります。さすが『おしん』から『寅さん』、そしてかつては濡れ場などもこなし、ありとあらゆる役をやってきたので、引き出しがたくさんあるんでしょうね」

 そして物語が進むにつれて、校長が抱える秘密が明らかになっていく。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  2. 2

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  3. 3

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  2. 7

    高市首相のいらん答弁で中国の怒りエスカレート…トンデモ政権が農水産業生産者と庶民を“見殺し”に

  3. 8

    ナイツ塙が創価学会YouTube登場で話題…氷川きよしや鈴木奈々、加藤綾菜も信仰オープンの背景

  4. 9

    高市首相の台湾有事めぐる国会答弁引き出した立憲議員を“悪玉”にする陰謀論のトンチンカン

  5. 10

    今田美桜「3億円トラブル」報道と11.24スペシャルイベント延期の“点と線”…体調不良説が再燃するウラ