「宝塚歌劇団」の体質が重なる…かつて大相撲は“かわいがり”暴行死事件が社会問題に

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「伝統の中で守っていかなければならないものもある」

 木場理事長のこの釈明で思い出されるのが、かつて社会問題になった大相撲の「かわいがり」だ。

 2007年6月、時津風部屋に新弟子として在籍していた17歳の序ノ口力士が稽古の厳しさに耐えかね、愛知県犬山市の宿舎を脱走。親方がこの力士の額をビール瓶で殴り、他の力士に「かわいがり」を指示。金属バットなども使った暴行で死亡させ、親方と兄弟子3人が傷害及び傷害致死などの容疑で逮捕された。

 この事件をきっかけに大相撲の「かわいがり」は“悪しき風習”として問題視されるようになったのだが、当時の相撲協会や力士らは今回の宝塚歌劇団の対応と同様、「かわいがり」の実態について口を閉ざし、一部の力士からは「かわいがりは兄弟子から弟弟子へのしつけ。稽古の一環」「教育体罰」などと“擁護”する言動もみられた。

 この時、大相撲の「かわいがり」の背景として、閉鎖的な組織に加え、伝統・文化の継承という言葉のもとに公然と行われてきた「異常な上下関係」「封建的な風潮」が根強く残っていることが指摘されていたが、まさに宝塚歌劇団の体質と重なるのではないか。

 宝塚歌劇団が設立されたのは1913年。元号は今よりも3つ前の「大正」だ。そろそろ時代に即した新たなエンターテインメント集団に生まれ変わる時かもしれない。

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