山田太一さん「脚本の神様」の裏話…なぜ生々しいセリフを次々と生み出せたのか

公開日: 更新日:

 ドラマ「男たちの旅路」「ふぞろいの林檎たち」などで知られる脚本家の山田太一(本名・石坂太一)氏が11月29日に老衰のため、亡くなった。89歳だった。ネット上では、山田氏の作品について《人間の心を描き出す力があった》などと惜しむ声が続々と上がっている。

 テレビコラムニストの亀井徳明氏は「山田脚本の“すごさ”は、どなたも言われていると思いますが、やはりセリフの生々しさですよね」とこう続ける。

「代表作のひとつ、1983年に始まったTBSドラマ『ふぞろいの林檎たち』シリーズで、当時、私自身も大学生だったんですが、中井貴一さん、時任三郎さん、柳沢慎吾さんらが演じた同年代の大学生のセリフから、それぞれのキャラクターの気持ちがすごくよく分かった。正確なセリフまでは覚えていませんが、柳沢さんが演じたラーメン屋の一人息子・西寺実が、デートに着ていこうとしたシャツがクリーニングに出されていたことで親と揉めた後に、こんな感じでつぶやくんです。もうちょっと男前に生んでくれたら、シャツなんてなんだっていいんだよ。俺みたいなブサイクが、シャツぐらい凝らなくてどうすんのよって……」

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方