来月から松本人志と文春の裁判…週刊誌の興亡、この一戦にあり!

公開日: 更新日:

 ところで、週刊誌の歴史の中には、便所紙に堕す寸前までいった危うい記事もいくつかはあった。中でも週刊ポスト(1971年7月9日号)が報じた「芸能界相愛図」事件は、最悪だったと私は思っている。作詞家のなかにし礼がポストの記者に、芸能界の乱れた男女関係を話したという内容だったが、なかにしは、記者に脅されて事実無根の内容をしゃべらされたと刑事告訴し、記者が逮捕されるという異常事態になったのである。

 結局、発行元の小学館が謝罪し、なかにしと和解(記者は不起訴)したが、真相は闇に葬られた。

 後年、私は、当時のポストの担当者やなかにし礼にも話を聞いた。心証からいうと、全くの記者のでっちあげではないようだが、なかにしは「私生活を暴露すると脅されて架空の話をさせられた」と譲らなかった。記者は黙して語らなかった。

 このケースやフライデーの「たけし事件」、週刊新潮の「ニセ赤報隊実名手記」などは、週刊誌が便所紙になりかけたといってもいい「恥ずべき記事」であった。 (文中敬称略)

(「週刊現代」「フライデー」元編集長・元木昌彦)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    朝ドラ「あんぱん」豪ちゃん“復活説”の根拠 視聴者の熱烈コールと過去の人気キャラ甦り実例

  3. 3

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  4. 4

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  5. 5

    “Snow Manの頭脳”阿部亮平は都立駒場高校から“独学”で上智大理工学部へ 気象予報士にも合格

  1. 6

    長嶋一茂が晒した「長嶋家タブー」の衝撃!ミスターとの“今生の別れ”、妹・三奈との根深い確執も赤裸々

  2. 7

    手ごたえのない演奏を救ったのは山下達郎 弱冠22歳の雄叫びだった

  3. 8

    パワハラ報道の橋本環奈"人気凋落"が春ドラマで鮮明に…一方で好感度上げたのは多部未華子

  4. 9

    貴乃花の次女・白河れい「事務所退所」…“親の力を借りない”妹と長男・花田優一の現在地

  5. 10

    父の死去で長嶋一茂は“天然キャラ”封印…KY発言に噛みつく「不謹慎警察」のエジキになる恐れ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」豪ちゃん“復活説”の根拠 視聴者の熱烈コールと過去の人気キャラ甦り実例

  2. 2

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  3. 3

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  4. 4

    長嶋茂雄さんは助っ人外国人のセックスの心配もしていた。「何なら紹介してやろうか?」とも

  5. 5

    手ごたえのない演奏を救ったのは山下達郎 弱冠22歳の雄叫びだった

  1. 6

    中居正広問題のキーマン元編成幹部を“地雷”扱い…「大甘処分」を下したフジテレビの魂胆

  2. 7

    趣里はバレエ留学後に旧大検に合格 役者志望が多い明治学院大文学部芸術学科に進学

  3. 8

    「ルンバ」のアイロボット社に事業継続困難疑惑…代表執行役員社長が舞台裏を説明

  4. 9

    僕は宝塚シニアの3年時、全国大会初出場でPL学園からスカウトされた。後に阪神同期入団する二塁手は…

  5. 10

    永野芽郁の二股不倫疑惑で露呈した所属事務所のガバナンス不全…沢尻エリカ以来の大ピンチ!