「海のはじまり」は地に落ちたフジ月9の象徴か…TVコラムニストが薦める意外な視聴者層

公開日: 更新日:

「2022年のフジテレビ系『silent』も翌年の『いちばんすきな花』もそうですが、脚本の生方美久さんと、その本に心酔したプロデューサーの村瀬健さんチームのこだわりが詰まっています。きれいで柔らかい映像の中で、人の心の罪をオブラートに包まず直線的にズバズバ突いてくるこのチームのドラマは、見る人を選ぶんですよね。好きか嫌いかで言えば、正直言うと僕は苦手なんですけど」

 そんな亀井氏だが、「でも、意外とオジサン世代こそ見るべきドラマかもしれないとも思うんです」と、こう話す。

「第7話放送後にネット上でも話題になった、夏(目黒)が津野(池松壮亮)に死んだ水季(古川琴音)のことで嫉妬すると弥生(有村架純)に言う場面や、そのあとで津野が弥生に《水季、水季ってうるさいんですよね》と夏のことを言う場面。悪意なく無意識に発した言葉が誰かを傷つけているということは、どんな優しい人にもあるということ。それを突きつけるのがこのチームの作風だと思っているんですが、実生活で一番そこに敏感になるべきなのが、僕らオジサンなんじゃないかな、と」

「海のはじまり」が見せる“誰もが誰かを傷つけている”という現実。そこに少しでも気づく人がいて、リアルに誰かが傷つく場面が減るのなら、視聴率に関係なく一定の成果はあるのかも?

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」