著者のコラム一覧
ラサール石井タレント

1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。

切り取られた言葉は純粋で、それ自体が光を放つ 胸に突き刺さる珠玉の言葉

公開日: 更新日:

 よく批判された反論の弁明に「言葉を切り取られた。全部読んでから言って欲しい」というのがあるが、大抵は全部読んでも同じだ。中にはもっと酷い発言を発見することもある。

 まあそれほど「切り取られた言葉」には力があるわけで、だからこそ金言、名言が生まれるわけだ。

 現在出演中の渡辺えり古稀公演「鯨よ!私の手に乗れ」「りぼん」2本立て公演のセリフの中にも、劇作家渡辺えりが紡いだ珠玉の言葉がたくさんある。

 舞台上ではさらりと語られ、あまり注目を浴びないが、私がドキッとさせられるのが、「今の日本人のほとんどが人殺しの子孫だ」というセリフだ。先の戦争もそうだが、卑弥呼の時代から戦国時代、江戸時代まで、ずっと内戦が絶えなかったのだから、必ずしもはずれてない。日本人を人類に置き換えても成立する。

 えりさんの母をモチーフにした三田和代さん演じる認知症の老婆のセリフ「人間は死ぬために生きてるんだ。だから頑張んな。いつか死ねるんだから。それまで頑張んな」「人が作ったものの方が、自然のものより奇麗なんだよ。心が入るからね」なども美しい言葉だ。私のセリフには「限りあるものを永遠に変える」というのがある。つまりは全て「演劇」を、「芸術」を指している。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった