広末涼子は世間と時代の破壊者たれ!キルケゴールを読みこなす彼女の一面から見えるもの

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 しかし、彼女が3年前、41歳の時に出した「ヒロスエの思考地図」(宝島社)によると、学生時代から哲学書を読むのが好きだったという。S・キルケゴールの言葉を引用して、「今までの価値があったものに価値を見出せなくなったり、今までの仕事や生き方に関心を失い始めたりする。そんなことが、私にもそろそろ起こるのだろうか?」と不安を口にしている。三木清の「怒り」についての言葉を引用して、「どんな状況であろうと、どんな理由があろうと自分でアンガーマネジメントすることが重要。だって大人なんだから。自分で自分の『落とし前』はつけましょう」と言いながら、「けれども、どんな人でも“喜怒哀楽”があって当然。人間だもの」と肯定もしている。この本を読む限り彼女は心を病んではいない。

 私は、広末が破壊しようとしているのは自己だけではなく、マスコミやパパラッチ、平和ボケして惰眠を貪っている日本人ではないのか……と考えている。

 4月16日に釈放された広末は、悟りを求める者(菩薩)として、百恵の何倍もの破壊力で、自らの信じる道を突き進むのではないか。その先にあるのは安穏か悲劇だろうか。 (文中敬称略)

(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)

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