黒谷友香、50歳目前で感じる“服選び”の変化「ファッションは失敗してもいい」ステキでいられるコツとは?
高校在学中から雑誌のファッションモデルとして活動を開始し、俳優に転身後、ドラマ『はみだし刑事情熱系』『ハンチョウ〜神南署安積班〜』など、数々の作品に出演してきた黒谷友香さん(49歳)。
現在、NHK連続テレビ小説(『カーネーション』)でも描かれた、世界的ファッションデザイナーの三姉妹の母として知られ、自らもデザイナーとして活躍したコシノアヤコさんを大地真央さんが演じる、最新出演映画『ゴッドマザー~コシノアヤコの生涯~』が公開中です。
三姉妹の長女コシノヒロコさんを演じた黒谷さんにインタビュー。50歳を目前に控えた黒谷さんの考えを聞きました。
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現役の世界的デザイナーを演じること
――コシノ三姉妹というと、今も現役で、ファッションに詳しくない人でも知っているデザイナーの先生方です。
直接お会いしてお話させていただいて、役作りのヒントにさせていただけたというのは、本当に貴重な、稀に見る体験でした。最初は実在されている、しかもヒロコ先生のような世界的なデザイナーの方を演じると伺ったときは、「どうしたらいいんだろう」と思いました。
先生のご著書や映像、資料、YouTubeなどでお勉強させていただいて、それから幸運なことに撮影前にお会いすることができたので、イメージを膨らませることができました。
――プレッシャーは。
プレッシャーという感覚よりも、ヒントをたくさんいただけるなというありがたさのほうが大きかったです。
――物語の舞台は大阪府岸和田ですが、黒谷さんも堺市のご出身で、近いですね。
そうですね。隣接していますし、私は以前、NHK連続テレビ小説『カーネーション』にも出させていただいたことがあるので、ご縁を感じます。
――黒谷さんはもともとモデルからスタートされていますし、ファッションは身近なものかと思いますが、年齢によるファッションの変化については何かアドバイスはありますか?
自分の「狙い所」を見せられる服選びを
ベースは20代とか30代で作られると思うんですけど、そこからも、自分の範疇じゃないところのアドバイスを聞いたり、意外と着てみたら似合うと試したり、どんどん自分を広げていくのも楽しいと思います。たまに失敗してもいいと思うし。
年齢を重ねていくことに関しては、たとえばお尻が隠れるデザインのものを選んだとして、フォルムをよく見せようとして選んでいるのか、ただなんとなく着てしまっているのか、どちらなのか。自分の狙い所をちゃんと見せられるような服選びをしたほうが、ステキな自分をずっと保っていけるかなと思います。
――なるほど。
あとは若いときとは違って、フォーマルな場所へも出ることが多くなって来ると思うので、質のいいものを1着持っていると、それを着回すことができるし、安心感にも繋がると思います。カジュアルなだけで生活できていた年代とは、また違った服選びも必要になると思います。
92歳の大先輩、仲代達矢のパワーに感化
――年齢を重ねることによって、見えてきたことはありますか?
周りの方々がどれだけ自分を支え、導いてきてくれたのか、今の年代になってからのほうが感じやすくなったと思います。だかこそ、人とのかかわり方がより大事になってくる気がします。
――多くの先輩方に出会ってきたと思いますが、なかでもステキな先輩を挙げていただくことはできますか?
仲代達矢さんにご縁があって可愛がっていただいています。仲代さんは、5月末から能登で舞台があるんです(現在、無名塾で「肝っ玉おっ母と子供たち」を公演中)。
――仲代さんは92歳で現役ですよね。
すごい先輩ほど、人間性のすばらしさを感じる
そうなんです。今回、私も観に行く予定なのですが、稽古期間にお手紙を書いてお渡ししたんですけど、そのお手紙を持って「受け取ったよ」とお写真を送っていただいたんです。稽古で大変なときに、後輩に対するそうした気づかいをしてくださって。本当に感動しますよね。
すごい方になるほど、細やかなことができる、人間性のすばらしさを感じます。キラキラした吸い込まれるような眼力もすごくて、憧れと同時に、「私も頑張らなきゃ!」と思います。
――そうしたキラキラした先輩方が身近にいるのは大きいですね。
大きいと思います。20代のころに「どういう女性になりたいですか?」と聞かれたら、そのときも目の前に「40代、50代でステキな先輩方がいたので、そうした先輩たちのようになりたいです」答えてきました。
いままさに私が50代に入るタイミングで、仲代さんや、今回演じたヒロコ先生のようなすごい方々と実際にお会いして、また「自分もそうなりたいな」と思う。そうしたエネルギーが生まれるのが、出会いの素晴らしいことだと思います。
可能性のあることは続けていきたい
――とはいえ、40代、50代は現実には心身に大きな変化もあるので、少しふさいでしまっている人もいると思います。そうした人に何かひと言いただけませんか。
たとえば家に閉じこもり気味になってしまっていたとしたら、ちょっと散歩をしてみたり、行きたかった美術館に思い切って出かけてみるとか。それが難しくても家のなかで料理を極めて、スパイスを買いに行くとかね。もともと自分の好きだったものから派生して、少し足を伸ばしてみるのがいいんじゃないでしょうか。
お裁縫が好きなら生地を買いに行くとか。スパイスも生地もネットで買えるけれど、あえて少しだけ近所に出てみる。日光に当たるのも大事だし、場所を少し変えてみるだけでも気分が変わると思います。家の周りをちょっと散歩するだけでも。
――そうかもしれませんね。
私はガーデニングが好きなので、自然のある場所で過ごすことで、東京でのお仕事も頑張れていますし、家ではボールやバンドを使った軽い体操をしたりしていますよ。役者のお仕事も、自分にとって可能性のあることは続けていきたいですからね。
■映画ゴッドマザー~コシノアヤコの生涯~は全国公開中
(C) 「ゴッドマザー~コシノアヤコの生涯~」製作委員会オフィシャルサイト https://godmother-movie.com/
(望月ふみ)