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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

がん治療情報の44%がウソ…ネット上で本物を見極める“眼力”を

公開日: 更新日:

 日常生活の情報収集でネット検索やSNSは、欠かせません。病気についてもそうでしょう。外来で患者さんとお話ししていると、ネットで仕入れたと思われる情報を耳にすることが少なくありません。読者の皆さんはいかがでしょうか。

 SNSに広がるがん情報を名古屋市立大病院の医師がファクトチェックしたところ、44%が誤りで、31%には有害な情報が含まれていたといいます。ネット情報は玉石混交で、患者さんはその見極めが大切です。

 特にがん治療は初回が大きなカギを握り、一度治療をスタートすると、もう一度戻って選び直すことができません。“敗者復活戦なしの一発勝負”といった要素もあるだけに、最初の情報収集はとても重要です。では、どうするか。

 ネットに広がるがん情報の中でベストは、国立がん研究センターが手がける「がん情報サービス」です。すべてのがんについて治療法や副作用、再発後の選択肢を詳しく解説しています。診療ガイドラインに沿った情報ですから、最も信頼できます。

 ガイドラインは、どこでも最適な治療が受けられるように説明したもので医師向けですが、がんによっては患者向けガイドラインも公表されています。大腸がん肺がん、悪性リンパ腫、前立腺がん、乳がん、子宮体がんなど。書籍版も販売されていて、これらをチェックして私の外来に来られる方も珍しくありません。

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