著者のコラム一覧
池田陽子薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

【寒天】身体にこもっている熱を冷ます「夏の食べる風邪薬」

公開日: 更新日:

 梅雨を迎えて、体調がすぐれない。熱があってだるいし、鼻水が出たり、お腹の調子もよくない……。もしかして夏風邪? 風邪というと、冬にかかりやすいイメージがありますが、梅雨から夏にかけても注意が必要な季節です。

 風邪のほとんどはウイルス感染で引き起こされます。一般的にウイルスは、低温で乾燥した冬を好むケースが多いのですが、暑くて湿度が高い環境を好むウイルスも存在し、それらは湿度が50%を超えると活発になります。

 夏風邪のウイルスに感染した場合、37度台の微熱が続く、喉の痛み、腹痛や下痢といった症状が現れる傾向があります。とくにシニアの場合、梅雨どきは寒暖差で自律神経が乱れやすく、免疫力が低下しているため、夏風邪にかかりやすいので要注意。さらに、一度かかると治りにくかったり重症化しやすく、その結果、肺炎などの合併症のリスクも高まります。症状がみられたら、早めに対策を講じることが必要です。

 中医学では夏風邪は、「蒸し暑さ」が原因と考えます。主に寒さによる冷えが原因となる冬の風邪とは別モノ。蒸し暑さによる暑気あたりや、水分が体内にたまることで引き起こされるのです。いわば、梅雨から夏限定の風邪なのです。

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