ウエルシア&ツルハの経営統合で売上高2兆円規模の巨大チェーンが爆誕…統合を主導するイオンの焦り
ドラッグストアチェーンのツルハホールディングス(HD)は5月、株主総会でウエルシアHDとの経営統合案を可決した。ツルハの株を10%握る英ファンドが反対票を投じたが、賛成率は72%と3分の2以上を獲得、これで経営統合への準備が整った。実現すれば2021年のマツキヨココカラ&カンパニー設立に続く大型再編になる。
最初に経営統合が発表されたのは24年2月。株式交換によってウエルシアHDをツルハHDの完全子会社とした後、イオンがツルハを子会社とする計画を3社が発表した。イオンは当時からウエルシアの株を過半数保有。その後、ツルハ株を追加取得して保有比率を19%台に引き上げており、イオンが主導する構図だ。
「ウエルシア、ツルハは共に、食品を安売りして利益率の高い薬でもうけるビジネスモデルを展開する。食品は既存のスーパーやコンビニなどライバルが多く、利益率の改善が課題。規模が大きいほど仕入れや物流で有利になるため、統合して収益性を伸ばしたい」(流通業界関係者)
■業界1位と3位の統合