普段から使える!あのシャーロック・ホームズが使った記憶術
エール大学のタルビングとモナシュ大学のトムソンが提唱する「符号化特殊性原理」という有名な理論があります。
これは、覚えたい情報に複数の「引き出し」をつくっておくことで、あとから思い出せる可能性が高くなるテクニックです。
例えば、家から駅に向かうまでの風景の中で、それに付随する英単語などをインプットすると、似たような光景を見たときに、スッとその単語を思い出しやすくなるという具合です。人にユニークなあだ名をつけることで忘れづらくするといったアプローチも同様で、多様な手がかりと一緒に覚えることで、あとで思い出しやすくなることが可能になるというわけです。
このように、場所などを活用して記憶を思い出させたり、定着させたりするテクニックがいくつか存在するのですが、そのひとつが頭の中に架空の場所(「精神の宮殿」)をつくり上げ、覚えたい事柄を、その場所の中に存在する特定のモノやヒトに当てはめて記憶する「場所法」です。
一例を挙げるなら、母から「卵」「牛乳」「お皿」「マヨネーズ」を買ってきてと頼まれたとしましょう。その際、自宅の「①玄関」「②寝室」「③ドア」「④お風呂」を想起し、それぞれ「玄関に卵が置いてある」「寝室に牛乳が置いてある」などと覚え、繰り返すことで覚えやすくなる──。このテクニックは、あの名探偵シャーロック・ホームズが使った記憶術としても知られ、古代ギリシャ人が発明した記憶術だともいわれています。