織田裕二の存在感は、よきにつけ悪しきにつけ世界陸上で注目された
芸能界には俳優とタレントなど二刀流が普通にいるが、織田の場合、「踊る大捜査線」の青島刑事と「世界陸上」の熱い男の二刀流を貫く稀有な俳優だ。
正しく言えば、変則の二刀流になってしまったのか。
19歳の時、オーディションで銀幕デビューした織田。ドラマ「東京ラブストーリー」の永尾完治役でブレーク。フジの“月9”ブームの立役者になった。その後、各局で主演を張るなか、1997年スタートの「踊る大捜査線」が大ヒット。熱血刑事・青島俊作が見事にハマり、シリーズ化に加え劇場版、スピンオフまで人気作品になった。
「踊る大捜査線THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」の興行成績は173.5億円と歴代1位を記録。「レインボーブリッジ封鎖」の言葉は流行語のように使われた。この金字塔も上映中の「国宝」が抜きそうな勢いだが、映画史に残る作品として語り継がれる。
織田は役のイメージが付くことを嫌うように青島刑事を卒業。「椿三十郎」など時代劇にも挑戦したが、「他の役だと織田の魅力が半減する」とヒット作は生まれなかった。