森浩美さんが作詞家になろうと思った秋元康の一言 SMAP「SHAKE」「青いイナズマ」など40曲以上

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最初のヒットは荻野目洋子の「Dance Beatは夜明けまで」

 そんな時、商社とか、一般企業に入った同級生たちと会う機会があって、そこで彼らが金利や経済の話をしていたんだけど、僕には全然わからなくて、あれ、自分は世の中のことを知らな過ぎるんじゃないのか、バカなんじゃないのか、と鼻っ柱を折られた感じでしたね。25歳の時です。それからは、世の中のことを勉強しなきゃと新聞を片っ端から読み、テレビのニュースも全てチェックしました。

 タブロイドの日刊ゲンダイも買って、堅い話からお色気ネタまであらゆるものを勉強した(笑)。つまり、自分の感覚や感性だけに頼るんじゃなく、もっと世の中を観察すること。つまり謙虚になったということです(笑)。

 その途端、不思議なものでヒットが出た。荻野目洋子ちゃんに書いた「Dance Beatは夜明けまで」(1986年)が、オリコンチャートでベストテン(4位)入り。洋子ちゃんがブレークした直後というのもあったし、事務所の社長だった平哲夫さん(当時)にもよくしてもらったのも大きかった。自分の人生が大きく変わったひとつの転機。

 そうなると仕事が群がるように入ってきて、営業、つまり売り込みに行かなくても、オファーされたものだけやればいい状況になる。その後、森川由加里さんが歌った、明石家さんまさんと大竹しのぶさんの「男女7人秋物語」のテーマ曲「SHOW ME」(87年)、田原俊彦さんの「抱きしめてTONIGHT」(88年)と続き、一応、ヒットメーカーと認められたと思います。

SMAPのメンバーと会ったのは正式デビュー前の1度だけ

 トシちゃんのヒットをキッカケに、同じ事務所のシブがき隊、マッチ、少年隊、光GENJIなどに作品提供をし、やがてSMAPを手がけることになります。デビュー曲の「Can't Stop‼ -LOVING」から「青いイナズマ」「SHAKE」「ダイナマイト」など含め、40曲以上手がけましたかね。ただ、それだけ関わっているのに、実は彼らに会ったのは1度だけです。彼らが、まだ正式デビューする前、SMAPの名をつけた飲料のCMソングのレコーディングスタジオでした。そこで初めて6人と顔合わせした。後に、テレビ番組で「SHAKE」の誕生秘話の再現ドラマをやった時、中居正広君が「森浩美って男?」と言ってるのを見て「さすがに知ってるだろう」と思ったけどね(笑)。

 僕はSMAPで売れたわけじゃないけど、シンガー・ソングライター系プロデューサー全盛の90年代で、職業作詞家としてやってこられたのはSMAPの存在が、やっぱり大きかったかな。

 (聞き手=峯田淳)

●朗読劇「すぎなみ家族草子」公演(11月6・7日、セシオン杉並)
●森浩美主宰・原作・脚本の舞台「閉園近し」「ひかりのひみつ」(11月27~30日、天現寺スクエア)

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