前川清が僕に「どうも、ありがとう」と頭を下げたワケ
それから2年ほど経って別の取材で前川に会ったら、「カラオケ、行ってる?」と声をかけてくれた。以前のことを覚えていて、「楽しんでね」と付け加えてくれた。
同じようなことは、堀内孝雄(76)でもあった。「堀内さんの最近の曲で2曲ほどいつも歌っています」と話すと、大喜びしてくれたのだ。その際、「最新曲のサビのところの最後のところが歌いにくくて、うまくいかないんですよ」と言うと、ニヤッと笑った堀内は「1カ所だけならいい手があるんですよ。そのひと言だけ歌わないで、一拍置いてセリフにするんです。聴いてる方は『この人、うまいんだろうな』と勝手に思ってくれるんですよ」とアドバイスしてくれた。
「とにかく大きな声で歌ってください」と教えてくれたのは、ある歌謡グループのボーカルをやったこともある女性歌手。「小さな声でフニャフニャ歌うのがダメ。大きな声を出すと自信があるように見えます。そうすると、音程もしっかりしてきますよ」とのことだった。
「楽しむ」「セリフにする」「大声で」──。僕のカラオケは、これを基本にして歌っている。



















