固定ファンがいるのに…“お金の事情”で時代劇は減る一方
前回のコラムで、昨今の映画やドラマ界は良い作品や人気シリーズを作りにくい環境であることを伝えたが、僕も好きで根強いファンもかなりいると思われる「時代劇」は輪をかけて制作しにくい状態だそうだ。
時代劇といえば、現状はNHK大河ドラマ(来年は「豊臣兄弟!」)だけといっていいほど新しい作品を目にすることがない。しかし、もうすぐ隻眼片腕の剣士「丹下左膳」を放送するBSでは、再放送でも一定の固定ファンがついているようだし、CS放送の中でも時代劇専門チャンネルは人気だそうで、ここでは新作も制作し続けていて、人気作品が登場することもある。
知り合いの映画プロデューサーによれば、ロケをする場所が「本当に少なくなった」という。
例えば、城をバックに武士たちを撮影するシーンはよく見るが、見上げるような格好で撮るという。なぜなら、地べたが映り込むと、そこはアスファルトだからだ。しかもカメラを固定しておかないと、ちょっと動かしただけでビル群が映り込んでしまう。斬り合いのシーンを山の中腹で撮っていたら、バックの山道を軽トラが頻繁に走っていて、そのたびに撮影がストップするのだとか。


















