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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

天海祐希「緊急取調室」ドラマはドラマの最終回で完結して欲しいという思いも捨てきれない

公開日: 更新日:

 2014年に始まった天海祐希主演「緊急取調室」(テレビ朝日系)。

 4年ぶりとなる第5シーズンだが、ヒロインの真壁有希子(天海)、小石川(小日向文世)、菱本(でんでん)、玉垣(塚地武雅)らキントリメンバーによるチームプレーは変わらない。ただし、今回で12年の歴史に幕を閉じるそうだ。

 その上で、今シーズンには新たな進化が見られる。これまで、真壁たちは容疑者の「言葉のほころび」や「嘘の矛盾」を突き、彼らの心を揺さぶることで真実を引き出してきた。しかし今回はさらに一歩踏み込んで、言葉そのものだけでなく、「沈黙」の奥にある真実に迫っている。

 たとえば、車いすキャスター(山本耕史)の人気を維持するための沈黙。山岳救助隊の英雄(戸次重幸)の罪を隠す沈黙。そして先週は、与党女性幹事長(高橋ひとみ)が自身の政治的立場を守ろうと沈黙し、彼女の息子(坂元愛登)は家族を守るために沈黙していた。

 ゲスト俳優たちが沈黙や曖昧さを見事に体現し、言葉以上に真実を語る場面となった。真壁たちキントリの面々は「非言語的なサイン」までも可視化したことになる。

 12月末には、シリーズ完結編として映画「緊急取調室 THE FINAL」が公開される。それはそれで悪くないが、ドラマはドラマの最終回で完結して欲しいという思いも捨てきれない。

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