夏帆×竹内涼真「じゃあ、あんたが作ってみろよ」が描くのは“自分感覚”で生きることの大切さ
気がつけば12月。夏帆×竹内涼真「じゃあ、あんたが作ってみろよ」(TBS系)も第3コーナーに差し掛かってきた。
父親譲りの「昭和の価値観」で生きてきた勝男(竹内)。恋人に合わせることで「普通の幸せ」を得ようとしていた鮎美(夏帆)。勝男のプロポーズを鮎美が断ったことでドラマは動き出した。
確かに勝男の「化石男」ぶりは目に余った。鮎美の手料理を前に、「並んだ料理が全部茶色い」とか、「味噌汁の具が小鉢の具とかぶってる」とか言いたい放題。見ている側も「じゃあ、あんたが作ってみろよ」と切り返したくなった。
その後、勝男は鮎美に対する未練でいっぱい。反省の日々の中で、自分の価値基準を押し付けることの理不尽さや、「幸せも人それぞれ」であることが分かってきた。
また鮎美も美容師の渚(サーヤ)などに影響され、徐々に変化してきた。自分の思いや感情は言葉にしなければ相手に伝わらないこと。自分の人生は自分で決めるべきであること。その上で「自分らしく生きたい」と思うようになったのだ。
物語の進行は決して早くない。2人の「気づき」や「成長」をじっくりと描いている。浮上してくるのは、「普通」という概念に惑わされず、「自分の感覚」で生きることの大切さだ。夏帆と竹内のコメディーセンスも功を奏し、今期ドラマの収穫といえる一本となった。



















