NHKスペシャル「未解決事件~逃亡犯へ 遺族からの言葉」オンエア直前に番組と現実がリンクした
「こんなことが起きるのか」とびっくりした。番組と現実の際どいリンクだ。1日に放送されたNHK「未解決事件~逃亡犯へ 遺族からの言葉」である。
いつもは1件の未解決事件を取り上げ、過去の経緯から現在の状況までを分析。独自の解釈や推理を展開していく。
だが、この日は特別編が予定されていた。遺族などをスタジオに招き、複数の事件の概要を伝えたうえで、視聴者から「情報提供」を募るという内容だ。26年前の「名古屋主婦殺害事件」もその中に含まれていた。
ところが放送前日の10月31日、69歳の女が殺人容疑で逮捕されたのだ。しかも容疑者は被害者の夫・高羽悟さんの高校時代の同級生で、同じ部活のメンバーだった。制作陣も驚いただろう。高羽さんはVTR出演だけでなく、スタジオでも心境を語っていたからだ。
詳細がまだ不明な中で新たな事態をどう伝えるのか。最終的には、画面右上に「容疑者が逮捕された」と文字で表示。加えて愛知県警による会見や高羽さんへの最新インタビューなどもしっかりと入れ込んでいた。
この高羽さん、事件が起きたアパートの家賃を払い続けることで、26年間も「現場保存」してきた。また殺人事件の時効撤廃運動に長年取り組んだ人物だ。「どういう理由で自分の家族が殺されたのかを知りたい」という執念こそが現実を動かしたのかもしれない。



















