最新回の朝ドラ「ばけばけ」ウラの見所~ラスト3分が最高の演出だった。想いが一つになった2人、次回がなんと待ち遠しい!
第13週「サンポ、シマショウカ。」#65
【朝ドラのツボ!】
月照寺での帰り、トキ(髙石あかり)は銀二郎(寛一郎)から、やりなおしたいと告げられる。一方、ヘブン(トミー・バストウ)はイライザ(シャーロット・ケイト・フォックス)を自宅に招く。
トキに怪談を語ってもらう様子をイライザに再現して見せるヘブン。そんなヘブンにイライザは、日本を離れ2人で一緒に海外で滞在記を書かないかと誘う。
【こちらもどうぞ】銀二郎の「ばけばけ」ぶりに惚れてしまうやろ~!Wデートで鉢合わせ、まるでトレンディドラマ?
【本日のツボ】
イライザ、まさかの弾丸ツアー?
※※以下、ネタバレあります※※
銀二郎から「おトキちゃんとやり直したい。やり直そう。東京で一緒に暮らそう」と言われたおトキですが、複雑な表情を見せます。
一方のヘブンも、イライザに「もうここを離れるのよね? どこかあたたかい土地へ行かない? そして、そこの『滞在記』を書くの、今度は二人で」と誘われますが、その表情も複雑で……。
イライザは、ヘブンの家のあちこちに見られるおトキの痕跡に何か感じるものがあったのかもしれません。そんな2組が、また花田旅館で鉢合わせします。銀二郎もイライザもここに泊まっていて、おトキとヘブンは見送りに来たのでした。
「マタ ドシテ?」
「銀二郎さん…泊まる…2階」
いつものように英語と日本語で会話する2人の様子は、私たち視聴者にとっては、すっかりおなじみの光景ですが、銀二郎とイライザの目には、自分といるときよりも楽しそうだ、と映ったのではないでしょうか。
橋のたもとで別れるおトキとヘブンですが、互いに振り返って、見つめ合い、「フフフ」と笑い合うなど、どう見ても、ラブラブカップルです。橋の上からヘブンが去るのをずっと見ているおトキ。
笑っていたかと思うと、自然と涙がこぼれました。笑いながら着物の袂で溢れる涙を抑えるおトキ。ヘブンへの想いにはっきりと気づいた瞬間と見ました。
しっかりと繋がれている二人の手
そんなふたりを、花田旅館の上から見つめる銀二郎。イライザが、隣の部屋からやってきて、「私とあなたは一緒ね。一緒」と銀二郎に話し掛けます。英語はわからない銀二郎も、イライザの悲し気な表情から、察し、「YES」と答えます。
おトキの心に自分はいないと悟った銀二郎。翌日、勘右衛門(小日向文世)、司之介(岡部たかし)、フミ(池脇千鶴)に対して、「すみません。諦めます」と詫びます。
「私はおトキちゃんが好きです。ずっと大好きで愛しとります。だけえ、幸せになって欲しい。だけえ、諦めます」と。
そしておトキに、「おトキちゃん、いつか東京に怪談を聞きに来て。私とじゃなくてええけえ。あの人とでええけえ」と。その言葉におトキへの深い愛情を感じました。銀二郎にも幸せが訪れますように、と願わずにはいられません。
ラスト。再び花田旅館の前で鉢合わせたおトキとヘブン。「サンポ サンポ イッテキマス」とその場から離れようとするヘブンに、おトキが「あのう」と声を掛けます。
走って戻ってくるヘブンにおトキは、「私も…ご一緒してええですか?」と。ヘブンの表情が晴れやかになり「ハイ」と答えます。
ラスト3分のところで主題歌「笑ったり転んだり」が流れてきました。最高のタイミングです。そのあと、夕陽を前に宍道湖を歩く2人。逆光なので表情は見えませんが、シルエットからも楽しそうな雰囲気が伝わってきます。
そして、ヘブンがおトキに手を差し出しました。恥ずかしいからか躊躇うおトキの手を強引に繋ぐヘブン。クローズアップになった手はしっかりと繋がれていました。
ふたりの想いがひとつになったところで、前半、終了。来年は1月4日から。1週間がなんと待ち遠しいことでしょう。
それにしても、イライザです。はるばるアメリカからやってきたのに、たった2泊で帰ってしまうなんて。これではまるで弾丸ツアー。最初からその予定だったのでしょうか。
(桧山珠美/TVコラムニスト)


















