著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

萩本欽一(6)「見合いの相手は別の人」 父と母の意外な馴れ初め

公開日: 更新日:

「俺、家族の写真がひとつもないから」

萩本「兄ちゃん写真も持ってないだろうって言うの。『俺、母親とずっと住んでたから古い写真とかみんな持ってる』って言うの。俺、写真って1つもないからね。家族の写真とか、1枚か2枚かな。こんなもんしかないの。そしたら本当に、婆やともう1人女性がいたの。女中さんって昔いったけど今は禁止用語になってるね。いわゆるお手伝いさん」

増田「そういうお姫さま育ちの奥さまとの生活はきっと大変だったでしょうね。でも、結局はお父さまが会社を倒産させてから家族が大変なことになって」

萩本「私が小学校4年時に浦和から東京に引っ越して転校になった。もともと生まれた南稲荷町というね、下谷神社の裏。萩本商会の会社、そこで親父が会社やってたんだね。なんかビルでもあるのかと思ったら、普通の家、普通の家2軒で」

増田「浦和に行ったのは何歳の時ですか?」

萩本「覚えてないなあ。戦争でね、防空突撃衣をかぶったってのは覚えてるけど、次の記憶では浦和にいましたね。疎開するのにすごい近いところへ疎開してるって、なんか変でしょ」

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