著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

萩本欽一(6)「見合いの相手は別の人」 父と母の意外な馴れ初め

公開日: 更新日:

 作家・増田俊也氏による連載、各界レジェンドの生涯を聞きながら一代記を紡ぐ口述クロニクル。待望の第2弾は、「視聴率100%男」として昭和のテレビ界を席巻したコメディアンの萩本欽一氏です。

  ◇  ◇  ◇

増田「ご飯から洗濯から全部お手伝いさんみたいな人たちがいて、お母さまは子供のころから身のまわりのことはやらなくてよかった」

萩本「そうそう。それは姉ちゃんに聞いたんだけど、もう本当に間違いない」

増田「小作人もいっぱいいて、お手伝いさんもいっぱいいて」

萩本「そうそうそう。そこの箱入り娘」

増田「お母さまは家事はしないお姫さまだから、そんなのは最初からしないものだと思っていたんですね」

萩本「そうです。親父はじつは母ちゃんと見合いしたんじゃなくて、母ちゃんの隣の家の人とのお見合いで東京から行って、そこのお家の前で『こんにちは』って言ったら、そのお見合いの相手がちょうど留守だったんですって。それで隣に住んでた萩本トミさん(母)が、『先ほどから叫んでますけども、隣の方、今お出かけなんで、そこでずっと叫んでんじゃなくて、うちでお茶でも飲んでお待ちになったらいかがですか』って声かけちゃったの。そしたらその母ちゃんに惚れて」

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