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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

ナダルの「究極の他責思考」は心を和らげ、笑いにも転換させる

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 その“クズ”っぷりは、よく知られるところだが、彼は「僕よりヤバいやついっぱいおるから!」(テレビ朝日系「アメトーーク!」23年2月16日)と、自分だけではないと主張しつつも、自分が「ヤバい」こと自体は否定しない。

 伊集院光は「『ナダルさんは悪い人じゃないんだけど悪い人を演じてる』は間違いだと思う。ちゃんと悪い人の素質は満々にある」と語っている。「単純にナダルは本当はいい人なのに悪い人を演じてるって言っちゃう人は、僕はまだ浅いと思うし、ただ悪い人っていう人も浅いと思う」と(テレビ東京系「伊集院光と佐久間宣行の勝手に『テレ東批評』」23年10月28日)。

 ナダルの特徴は「究極の他責思考」。芸人になってからずっと「自分の努力が足りない」「自分の責任だ」と考えてきた。けれど、それがしんどくなって「逃げてもいいか」と思うようになったという。

「誰がどう思おうと、『自分の人生なんだから、もっと自分をいたわってもいいんじゃないか』と考えるようになったというわけです。その結論として、これはもう『人のせいでええわ』って(笑)」(マイナビ「マイナビニュース」22年3月15日)

 日本人の美徳として、それを公言することは、はばかられるが、ナダルはその本音をまき散らす。「『誰かのせい』は自分の心を楽にするし、笑いにだって転換できる」(同前)と。

 ナダルはいわば、誰もが隠し持っている“本音”がデフォルメされた存在なのだ。

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