とろサーモン久保田かずのぶ語る 仕事、女、趣味…オレ流のこれからの生き方

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 2017年のM-1チャンピオン、とろサーモンの久保田かずのぶさんはつねに話題を振りまく注目の芸人だ。先月出した新刊「慟哭の冠」もありのままをさらけ出して衝撃的。これからを語ってくれた。

  ◇  ◇  ◇

  2月に飛び出したオンラインカジノのスキャンダルでは久保田さんの名前も取り沙汰された。これについては本人が自身のラジオで関与を否定。とんだとばっちりだった。

 新刊「慟哭の冠」はこのタイミングで偶然の出版になりました。これって運がいいのか悪いのか(笑)。出版していいか不安になったので、何度も考え直したり、読み直したりしてみました。

 その中でこの本の中に答えが載っているなと気がついた。226ページのあとがきです。「目に見えるものより、目に見えないものを大事にしてください」。これが僕からのメッセージです。

 僕が芸人を目指し、M-1で優勝したわけですが、どう生きてきたか、生きざまをありのままをさらけ出したのが「慟哭の冠」です。この本はこんなふうに読んでほしいですね。

 もしあなたが今、生きていてつらいとか、頭を抱えている問題があるとしたら、それはとても小さなものだということ。僕もいろんな問題と格闘しながら生きてきて、路地裏に駆けこんで死のうかと思ったこともあります。でも、そこで生活している人、生きている人たちがいた。それを見てやっぱり死ぬのは違うよな、自分は生きていることに怯えていただけじゃないかと考えるようになりました。そういう人を見ているうちに、自分より大変な人がいることもわかった。独りよがりはよくない、やめようと。そんなことを書いています。

 もし、このインタビューが記事になり、ネットで読まれたとして、コメントを書く人もいるじゃないですか。その時は久保田だから、好き勝手書けばいいとか思わず、ぜひ、誰かに伝えるすてきな言葉を書いて欲しいと思います。

 インタビューのテーマはこれからやりたいことですよね。

 今はリアルにこういう番組を持ちたいとか、あの芸人と絡みたいとかということはないですね。それより今日、メッチャ面白かった、楽しい仕事だったと思える日がたくさんあればいいなと思っています。そのためには嫌な仕事は断って、好きなことだけ夢中になってやりたい、力を注いでいきたい。

 YouTubeをやったり、3年前に絵を描くようになって個展も開きました。個展では100万円で絵が売れて衝撃的でした。ただ、また個展をやりたいとか具体的なことは何も考えてません。

 そういう本を出したとか、絵を描いた、または久保田が炎上した……といったトピックスが今からもいくつもあると思います。これをこれからどういうふうにしていくか、考えていくしかないです。

 芸人としては、例えば地方を回って漫才にライブをやっている同期や後輩がいます。でも、同じプロ野球選手でも打席に立ったら打ち方が違うように、僕は彼らと全然、違う。それが楽しいと思える人とそうじゃない人がいるとしたら、僕は楽しいとは思えない。その上でやりたいことは、ネタが飽きないように単独ライブを年1回やる。1回しかやらない。面白いネタを10本、20本作って楽しく演じようと思っています。ただ、それを死ぬまでやっていこうとも思っていない。やっぱりみんなつねに何か新しいものを見つけたいんですよ。今やってること、すごいやろ、僕、これやってんねんと言いたいんです。承認欲求ですわ。

 旅して回るのもいいと思います。ただ、間違えないでほしいのは、そもそもどういうつもりでこの世界に入ってきたかということです。ほとんどの人はテレビに出たくて入ったと思うんです。でも、年を取るとテレビは無理かも、そうなった時に他に何かできることがないか、みんなも地方を営業で回ってると思うんです、それでいいわと。冷たい言い方かもしれないけど、ヒット打てんかったらバントしてみようかなということでしょ。

 僕はそこは変わってなくて、テレビは死ぬまで出たいし、志は下げたくないということです。

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