前田敦子は「毒島ゆり子のせきらら日記」で“AKBのあっちゃん”から脱却
ゆり子の二股を知りながら4年も同棲してきたミュージシャン(渡辺大知)が、第3の男の出現でついに別れると言い出す。また「不倫はご法度」という、ゆり子自身が決めたルールも、新井に関してはどんどん有名無実化していった。
普通ならヒンシュクを買いそうなヒロインだが、深夜ドラマらしい大胆な濡れ場も含めて前田が大健闘。ネタを取るため必死に政治家を追いかける姿はけなげだし、男たちの前で見せる湿度の高い表情もいい。仕事とプライベートの両面をテンポよく描く、矢島弘一のオリジナル脚本の牽引力とも相まって、ゆり子の危うい直情径行ぶりから目が離せなかった。
何より、「常に二股していないと不安な政治部記者」というキャラクターが秀逸だ。男性とどんな場所でも遠慮せずにキスをしまくり、肌を露出して抱き合う。「深夜の昼ドラ」というキャッチフレーズに偽りなしの過激なシーンの連続だった。しかも演じているのは、あの前田敦子である。AKB48を卒業して4年。
普通の女性を演じても「あっちゃん」という感じが強かったが、大胆な濡れ場にも挑戦して「女優・前田敦子」への脱皮を目指していた。見る側にとっては驚きと予想を超える面白さがあった。
あれから10年。前田はこのドラマの2年後に俳優の勝地涼と結婚し、19年に長男を出産、21年に離婚した。シングルマザー女優として頑張っているが、残念ながら「せきらら日記」ほどの突き抜けた主演作はない。そろそろ第2の“新境地”を見せて欲しいものだ。



















