世界の熱狂は「遠心力パロディスト」のごった煮ポップスのせい
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その後のビートルズ~ポール・マッカートニー①
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今あらためてビートルズ、特に後期作品を聴いて驚くのは、ポールの圧倒的な存在感である。その存在感を一言で表現すれば「遠心力」。
対するジョンとジョージは「求心力」だ。1960年代後半という激動の時代のうねりを自らつくり出し、もしくはのみ込まれる形で時代性を求心的に突き詰めていく。平たくいえば、小難しくなっていく。
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ただ、この連載で何度も書いたように、そんな彼らの作品も最終的にはポップになってしまうのが、彼らの「業」だと思うのだが。
そんなジョンとジョージに対して、ポールが遠心力を繰り広げる。時代と隔絶していた、とまでは言わないが、時代性より音楽性に立脚し、遠心力を利かせて、広大な音楽の面積を耕していく。
ロックンロールを中心に、リズム&ブルース、ジャズ、フォーク、クラシック……いってみれば地球上のすべての音楽を我が物、ビートルズの物として開拓する。
という「遠心力ポール」は、つまるところ「パロディスト」だったのだと思う。リズム&ブルース、ジャズ、フォーク、クラシックのパロディーとしてのビートルズの首謀者。
パロディーというと軽薄な響きになるが、ビートルズ、特にポールが優秀なパロディストだったからこそ、リスナーは、ビートルズを扉として、世界の音楽を学んでいくことが出来たのだ。
そう考えると、パロディスト・ポールの功績は劇的に巨大である。
そしてビートルズ解散後のポールは「遠心力パロディスト」としての腕前をいかんなく発揮して、世界で最も成功した音楽家になっていった。
さて。ビートルズも含め、世界中の人々、特に若者が熱狂してきた「あの音楽」は何というジャンル名なのかと考えることがある。
一時期は世界的に「ロック」が幅を利かせていた。日本では「ニューミュージック」、その後は「Jポップ」か。
でもトータルで見れば結局「ポップミュージック/ポップス」というふわっとした言葉に落ち着かざるを得ない。なぜか。それが、さまざまな音楽のごった煮だから。
ということは「あの音楽」をふわっとさせた張本人は、世界で最も成功したポップ音楽家であるポールなのではないか。
彼が「遠心力パロディスト」だったからこそ、ごった煮で雑食で痛快なポップミュージックが、かつて、そして今でも人々をしびれさせているのだと思う。
そう、あれもこれも、みーんなポール・マッカートニーのせいさ。
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